第五話 勇者、情報集めに四苦八苦!?
第5話 勇者、情報集めに四苦八苦!?
かくして、魔王城に囚われた姫を助ける為、勇者は旅立つこととなった。
まず、勇者は、魔王城についての情報を得るため、王が支配する街へと向かっていった。
王様の城から街までは、徒歩20分という近いのかやや遠いのか、よくわからない程度の距離があり、一度勇者が住んでいる村を経由して行かないといけないだけで、後はほぼ一本道であった。
そんな道のりの特性上、特に迷うこともなく街まで勇者は、辿り着いたのであった。
「街まで来たのは、ずいぶん久しぶりだが、俺の迷子スキルが発動することもなく無事辿り着けたなぁ~。うん、俺も成長したもんだ。」
街の入り口にて、勇者は、感慨深げにつぶやいた。
「さて、感傷に浸るのはこの程度にして、街の人たちから情報を集めないとな。」
勇者は、自らの目的を思い出すと、情報を集める為、近くにいたおっさんに声をかける。
「すみませーん。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、魔王城までの道を知りませんか?」
おっさんは、答える。
「ここは、王様の支配する街だぜ!」
「はいぃー?」
勇者は、おっさんの返答に驚愕した。しかし、情報を集める為にも先ほどの言葉は、聞かなかったことにし、もう一度尋ねた。
「あ、あのー、すみません。ちょっと道をお尋ねしたいのですが・・・?」
「ここは、王様の支配する街だぜ!」
「えぇー!?さっきの聞き間違いじゃなかったのか。」
同じ返答が返ってきたことに、再び勇者は、驚いた。と同時にこの人が、特別おかしい人ではないかと疑い始めた。勇者は、勇気を出してもう一度だけこのおっさんに尋ねてみることにした。
「あ、あのー!み、み、道を聞きたいのですが!」
勇者は、怯えていた。そして、返答が返ってくる。
「ここは、王様の支配する街だぜ!」
「や、やっぱり、この人変な人だ―!」
「誰が、変な人や!お前、それは人に対して失礼だろうが!」
「ご、ごめんなさーい」
勇者は、即座に謝った。不安が募っているところに急に怒られ、半泣き状態になっていたが、やっとまともな返答が返ってきたことに嬉しさを感じていた。
「ったく、何泣きそうな面してやがんだ。男ならこんなことでいちいち泣きそうになってんじゃねーよ!それで、なんのようだ?」
おっさんは、ぶっきらぼうにそう勇者に話しかけた。
「は、はいー!ええっと、魔王城までの道のりを知ってたら教えてほしんだけど・・・。」
勇者は、四度目となる質問をした。今回もあの言葉が返ってくるのだろうかと不安を持っていたが、それは見事に裏切られることとなる。
「魔王城か。俺は、あそこ行ったことないからわかんねーな。・・・一部の間では、人気があるみたいだがなぁ(ボソッ)」
今度は、おっさんも普通に答えた。しかし、どうやら魔王城へまでの道は知らないようである。後半に、ボソッと何かをつぶやいていたようだが、勇者には聞こえていなかったようである。
「そっか。ありがとうございます。ところで、あの、その、最初に話しかけたときのあの返事はなんだったのですか?」
勇者は、礼を言うと、先ほどから聞くのは怖いが気になっていたことについても尋ねた。
「力になれんくてすまないな。ん?あぁー、あれか。あれは、つい最近この街にできた条例でな、街の一人一人にワンフレーズぐらいのセリフが決められていてな、勇者に話しかけられたら、そのセリフを三回までは言い続けろというおかしなことが決められていて、実践していたのさ。」
おっさんは、衝撃の事実を述べた。
「えぇー、じゃあもしかして街の人々から情報を集めようと思ったら、何かしらのセリフを三回聞いた後じゃなければ、聞けないってことですか?」
「そういうことだな。条例案自体は、前からあったが、昨日から施行すると王様が決められたのだ。ちなみに後半の勇者に話しかけられたらの部分も急遽、昨日王様がついかしていったぜ。」
「あのクソ王が!」
勇者は、憤慨した。必ずかの邪知暴虐な・・・(以下略)。それは置いておくとして、しばらく勇者は、怒りと呆れで何も考えられなくなっていたが、しばらくして落ち着くと再びおっさんに尋ねる。
「魔王城の道を知ってそうな人を誰か知らない?」
おっさんは、答える。
「いや、悪いが知らないな。他の人にあたってくれ。」
「わかりました。色々教えてくれてありがとうございました。」
「おう、いいってことよ。じゃあ、がんばれよ坊主。」
そういうとおっさんは、立ち去って行った。
その後、勇者は、おっさんに言われた通りいろんな人に話しかけ、情報を集めをしていたが、なかなか情報を知っている人がおらず、条例のこともあり、肉体的にも精神的にも疲れていた。
そんな中、一筋の光を見出したかのように、魔王城への道を知っている人の情報を得ることに成功する。勇者は、逃がさないとばかりに情報を持った人の許へと訪れる。そして、形式美のように条例を一通り済ませると、本題について尋ねる。
「突然訪れてすみません。魔王城への道のりを教えていただけませんか?」
情報源を持った女性は、答える。
「いえ、大丈夫よ。魔王城への道?それなら、この街を王様の城の方向とは逆の方向から出て、道なりに真直ぐ進んで、二番目の交差点で右折、それから・・・(以下略)」
「・・・ということですね?分かりました。わざわざ教えていただきありがとうございました。」
勇者は、女性に御礼を言うと魔王城へと向かう為、教えられた道へと向かっていった。
こうして、魔王城への道を聞けた勇者は、囚われたお姫様のいる魔王城へとむかっていくことになるが、結果あんなことになろうとは、誰も知る由はなかった。
思いの外、長くなったので当初予定していた話を2話に分けることにしました(;´・ω・)
物語もそろそろ序盤から中盤へと移っていくところです。
おそらく10話程度で完結予定となります。




