表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

another.1 梨花side

 私はあの日がとても楽しみだった。最近ではみんな忙しくて、遊べる回数が減っていたから久しぶりに三人集まってゆっくりと遊べる。…そう思っていた。

 どうして?どうして優希があんなことに…?

 ほんの一瞬。

 一瞬、三人でカラオケに向かう途中で優希がいつものように大好きなカメラを何かに向けようとした瞬間。優希は消えた。代わりに目の前に見えたのは車だった。ガッシャーンと大きな音が耳に響く。私は最初何が起きたのかがわからなかった。消えた。優希が消えた?

『優希っ!』

 私と玲は同時に叫んでいた。そして同時に優希を探して車の方に走り出していた。優希を一心不乱に探す。車は歩道に入り優希を巻き込みながらビルに突っ込んでいた。瓦礫をかき分けていくと…優希は倒れていた。優希は意識不明の重体、病院にまで私たちはついて行ったけれど、それしかできなかった。不安ばかりが募る。

「優希…大丈夫かな…」

 私は何度も同じ問いを繰り返す。

「大丈夫に決まってるだろ」

 玲が何度も答えてくれた。そうして何度かその問いを繰り返したけど結局その日私と玲は優希に会うことができなかった。

 事故から数日、優希が目を覚ましたとお母さんが教えてくれた。だけど、知らせはそれだけではなかった。

「それで…優希くんね、その…事故のショックで記憶喪失になっちゃったらしいのよ…」

「えっ?」

 記憶喪失?優希が?それって私のことも玲のことも優希のお母さんのことも全部全部忘れちゃったってこと…そんな…。

「優希には…いつ会えるの?」

「けがの治りは早いらしいから数日後には会えるようになるんじゃないかしら」

 それから数日後お母さんの言った通りお見舞いの許可が出た。それを聞いた私と玲は早速二人でお見舞いに行くことにした。優希は大丈夫なのかな…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ