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僕の知らない僕

 僕は記憶が取り戻せないまま退院することになった。外に出て、脳に刺激を与えた方が記憶を取り戻せるという医者の判断によるものだ。事故による怪我も治りかけていた。

 今の僕にとって病院の外に出るのは初めてで、落ち着かなかった。お父さんとタクシーに乗り30分程で家に着いた。

「ここが僕の家?」

「そうだぞ、ずっとここに住んでいたんだ」

「そうなんだ」

 思い出せない。また僕の知らない僕が記憶という情報となって僕に押し寄せる。

「ただいま」

 お父さんが先に家に入り、僕もそれに続く。ただいまが上手く言えない。

「あら、お帰りなさい早かったのね、優希、体調は大丈夫?」

「あ、うん…大丈夫だよ…」

 感情が読まれそうな気がして僕は慌てて話題をそらす。

「えっと僕の部屋どこ?」

「二階の突き当たりよ、おやつあるから後で降りてきてね」

「うん、わかったよ」

 お父さんとお母さんがいるリビングから僕は逃げるようにしてその場を離れた。

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