物語の始まり
初投稿になる詩月と申します!
誤字、脱字、言い回しがおかしいなど
操作にも慣れておらず
至らぬ点が多々あるかもしれませんが
よろしくお願いします。
『記憶喪失。』
それは時には詳しく本で、時には悲劇的にドラマで見かける。その突発的な四文字はどこか遠く自分との関係性が薄く感じられる。
「ここは…?僕は…一体…?」
記憶喪失を題材にした『物語』でよく見かけるベタな台詞。
そう、『物語』。
その少し現実味の薄れた台詞が自分の口から自然に発せられたことに僕は微かな恐怖を感じた。
僕が記憶喪失になってから二日が過ぎた。
この二日でわかったことは、僕の名前は佐藤 優希、公立高校に通う十七歳。記憶喪失で市立病院に入院中。家族は僕と両親の三人家族だということくらいだった。
僕が佐藤 優希という人物を理解するには情報があまりにも少なかった。
三日目の昼。お母さんが僕の病室に来た。
おっとりとした優しそうな僕の母親はいつも昼頃になると僕の病室にやって来ては楽しそうに雑談したり、身のまわりの世話をしてくれたりする。
「そうだ!ねぇ、優希」
お母さんは突然何かを思い出したように話しかけてくる。
「どうしたの?お母さん」
「明日ね、優希の友達がお見舞いに来てくれるそうよ」
そうか、お見舞いか。…お見舞い。僕の友達が…?
「…お母さん、僕はその友達の顔も名前もわからないよ」
「向こうの子達は優希が記憶喪失のこと知ってるから大丈夫よ、
それに、そろそろまわりのことも知りたいでしょう?」
「え…あ、うん。ありがとうお母さん」
僕はどんな人物だったのだろう。
知るのは少し緊張する。