Devil
「突撃」
「いっけええええええ!」
先頭から血しぶきが飛んでくる。
少し前から胴体や腕なんかの人間のカケラが飛んでくる。
グロテスクなモノがたくさん飛んでくる。
ここは地獄の一丁目。
死神が斧で、ハルバードで、銃で、血濡れた道を作り出す。
だれも死神をとめられない。
(なんてことを考えられるくらいには余裕があるわけで)
弾をまた一発、薬室に送り込む。
ーーダン
また一つ大きな血の花が咲く。
これでマガジン一つ撃ちきった。
腰からするりと抜き取って、使いきったマガジンと入れ換える。
棄てたらもったいないじゃないか。
西普連の西澤さんだってマガジンは棄てずに持ちかえるって言っていた。
西澤さん、元気かな。
ーーダン
あと十秒で敵の防衛陣地だ。
打ち合わせとは違うが、ここで二人とはお別れだ。
狭いエリアではボルトアクションは役たたず。
広いエリアで撃ったあと、混乱を拡大させるために突入する。
誤射したら怒られるしな。
(ユーカの滝のような身体ではそうそうあたるものではないと思うがぁ!)
あぶねぇ!
首筋を掠めてナイフを飛ばすな。
しかも睨んでるよ。
警告のつもりか?
貧乳と考えるだけでもアウトか。
(事実だろうっっ!)
今度はちぎれた敵の腕が飛んできたか。
白い骨が赤黒い肉の断片といいコントラストを描いている。
見てるこっちが怖いから前を向いて乗りなさい。
二人が敵陣に突入した。
騎首を返して風上へ駆ける。
ーーダン
また一つ花を咲かせる。
敵の士官の首がとび、後ろにいた従卒の顔に紅の斑点。
みていますか、西普連の石嶋さん。
偏差撃ちはこれでいいんですよね。
ーーダン
槍兵を撃ち抜く。
彼の槍は、その穂先を自由落下に任せて彼の友人に刺さる。
ーーダン
刺さった槍にパニックになる兵士を苦しみから解放する。
ーーダン
健気にも弓をその手に携えて立ち上がった兵士を撃つ。
敵の中央では蜂の巣を突いたような混乱を起こしていることを風が伝えてくれる。
さらにはのろしが上がり、遠くで幟がはためいた。
とどめに進行方向から大爆発がおこる。
擲弾はこんな爆発はしないし、他に爆発物はない。
ああ、いつぞや教えた粉塵爆破か。
小麦粉でも燃やしたかな?
課税はこちらに吹いているから巻き込まれるな。
ならば頃合い、銃を背負って鉈と大型ナイフを抜く。
突入。
「大和魂を見せてやる!」
柵を飛び越え敵地に一歩赴く。
(神仏照覧)
軍の主兵はここにあり。
「かかってこい。天使とダンスだ」
兵士が一人、抜剣して走ってくる。
両手で支えた長剣を振りかぶる
「勇敢な兵士だ。だが愚か者だ」
一刀のもとに切り伏せて、返す刀で二人目を斬る。
さらにもう一人、槍を突き刺してくるので鉈で顔面を割る。
気味が悪い体液が吹き出す。
その槍を奪い、鉈をしまう。
火勢は強く、もうしばらくでここも火の海。
騎首を火にむけ走り出す。
すると前方から一騎、偉そうなのが駆け寄る。
敵だ。しかも偉いやつだ。
つまりボーナスだ。
「我こそは、今代陛下の信任あつきひがすぃぬぉ!?」
「話が長い校は嫌われるぞ?」
口上を遮って腹を突く。
なかなかいい槍だ。もらっていこう。
一度振れば、先ほどの貴族お付きの敵兵が落馬する。
いい切れ味だ。
地位もそれなりなんだろうな。
苦しむソイツを蹴りおとし、組みしいて顔を殴る。
五発殴って弱ったら鉈を取り出す。
(背骨に通じているからちょっと固いな)
切り落とした首をどうやって持ち帰るか。
(ヒモがあったな)
敵将の首級を馬につなぐ。
よし、ボーナスゲットだ。
火の手はすぐそこまで来ていた。
(前進は死ねるな。回り込もう)
しばらくすると、山があった。
それからは足や腕が突き出ていた。
死体の山だった。
赤い血が垂れている。まもなく虫が湧くだろう。風情がないね。
それよりも興味深いものがあった。
足跡だ。
血でぬかるんだ大地に刻まれた二頭と思われる足跡。
(蹄の跡。こっちに行ったか)
先行した二人を追って走り出す。
たまに出てくる散発的な障害を貫いて走る。
いた。逃げる敵将を追っている。
けっこうきらびやかなな見た目だな。撃とう。
銃を引き抜き、構え、撃つ。
ヘッドショット。
「私の獲物よ!」
「早い者勝ちっすよ」
「そういうことだ」
ふと、彼女は馬に吊るされた生首を見やる。
「それはなにかしら。魔除け?」
「むしろ魔がよる。首級だよ。功績を認めさせるために首を持ちかえる。そいつの首も持ってくぞ」
「..蛮族にみえるっす」
「..悪魔かもね」
「落とすよ?馬から」
「..押し倒すの?」
「..淫魔がいるっす」
「..まぎれもなく変態ね」
なんという上司&部下。
そんなに苛めて楽しいか?
ーー興奮するじゃないか。
「火がこっちまで来ているな」
「とっとと逃げるわよ」
その後、仲間と合流した。
彼らは風上で交戦していた。
我々の退路を守るというのか。ありがたい。
「いい火だったぞ」
「擲弾の威力、すさまじかったです」
「小麦粉を撒いて、酒樽に撃ち込んだんですがその時の衝撃で一人怪我しました」
「深いのか?」
怪我人は..まずい。
「破片が腕を掠めました。止血をしているので心配無用です。主力と合流したらもっとましな手当てをお願いします」
「承知した」
なんだ。せいぜいしばらく得物をふれない程度か。
無事でなにより。
訓練にかかったカネはちゃんと返してもらわないとな。
「みんな、ご苦労様」