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Duel

彼女はマガジンを一つ投げてよこす。


「競いあいだ。五発ある。点数が低かった方は勝者の言うことを一つ聞く。いいな?」

「了解です。私はルクレールです」

「フレイだ。騎士団団長。すこし準備してくる。しばし待て」


そう言うと彼女はフラッと出ていった。

この銃は大変いいものだ。本職の狙撃兵が使うような精度。

西普連の篠田さんに貸してもらった銃とおなじくらい精度がいい。

篠田さんは元気かな。

だけれども、彼女は上手い。道具だけでなく実力も兼ね備えている。

射場は狭いからなんとかあたっているが、付け焼き刃で勝てる相手ではない。

敗けは確実だ。


(まぁ、美人の命令も悪くないかな)



二人は射台につく。

的の横にはラインハルト。避けて撃てと申すか。

というか彼女が外していたのはごく数分の間。

その透きに捕獲→設置をこなすとは。


「一つ言っておく。いままでこれを受けてたった者はいない。ラインハルトを撃つかもしれないと皆逃げた」

「ーーーだったら的にしないでくださいよ!」

「貴様はどうする?」

「やります。あてなければよいのでしょう?」

「ーーーあたったらどうする!」

「あたらなければどうということはありません」

「ーーー......」     

  

ボルトを引き、次の弾を薬室に送り込む。         

伏射姿勢で銃を構え、サイトを覗く。

風は微風。


ーーータン

フレイが先行。ど真ん中。


ーーータン

私の番だ。ど真ん中。


ーーータン

一発目の2mm右


ーーータン

一発目の1mm左


ーーータン

二発目の1mm左


ーーータン

二発目の3mm右


ーーータン

三発目の1mm上


ーーータン

三発目の1mm下


ーーータン

ど真ん中。


ーーータン

....四発目の6mm上


「勝負ありだな」

「参りました」


接待ってこんな感じなのだろうか。


「最後の一発、原因は?」

「気の緩みが、風を読み違えさせました」


接待したことに気づかれたな。だけど実力があるとも気がついた。

売り込み成功。もう使い捨てにはできないだろう。

その瞬間、目が合う。

金色の瞳、美しい瞳、吸い込まれそうだ。


「もう一度、いつかやるぞ」

「ぜひとも、よろしくお願いします」

「さて、次の仕事は?」

「ラインハルトさんの回収」

「正解」


的と的の間でX字に張り付けとなっていたラインハルトさん。

涙目になってどうしたんだ。

ただ十発の弾が腋のすぐ下平均10cm以内のところにあたっただけじゃないか。


「なぜ受けてたった!そこは辞退してくれよおおおおお!死ぬところだったじゃないか!」


なぜか怒られた。


「誰が殺すんです?」

「君たち二人だ!」

「一発もあてませんよ?慣れてますから」


よく博士の廃棄物をターゲットに狙撃練習をしたな。いまになって役に立つとは。

人生ってわからんな。


「外れたらどうする!」

「はずしません」



ラインハルトさんを放置して、銃の整備に向かう。

フィールドストリッピング、野外での整備。工具は射撃場にあった。拝借しよう。

フィールドストリッピング、訳すると野外露出。

きゃー卑猥。

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