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157日目*
3日坊主だったはずの俺がここまで書き続けることができたのは、きっと日本語をわすれたくないから。
じじばばはあっけなく死んだ。川で水浴びしつつ、水瓶に水をついで家に戻れば魔物がじじばばを食っていた。無残な欠片しか残ってなかった。
思わず壁に立てかけてあった鉈を振り回した。一心不乱に振り回していたら運よく当たって、絶命していた。
血に濡れた家で呆然とじじばばの欠片を見ていた。バースさんが来てくれなかったら俺は血の匂いにつられてやってくる魔物に食われていた。本当にここは日本じゃない。人は呆気なく死ぬ。
バースさんに連れられて、森を出た。とりあえず、当面はバースさんの家で居候の予定。
この日記を書く手が震えている。じじばばが死んだ、しかし俺はじじばばの名前さえ知らないことをさっき思い至った。ハロルド、と呼ばれていたが、ボケたじじばばのノー天気さに救われていた。
……気分がわるい。はきそう。