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秋風月26日目
猫が減ってる気がする。
いや、気のせいじゃない。減っている。
思わずハルさんを見てしまった。
無言で牙を立てずに頭をがぶりとやられた。いや、痛くはなかったけど、本気でちびりそうだった。
言葉が通じないとわかっていてもついつい猫たちの頂点に君臨する黒猫に問いかけてしまった。
狼のハルさんが話せるんだから猫が話せたっておかしくない、はず。
……ぷいといつも以上につれない態度でどこかに行ってしまった。
いや、そうだよね。
猫だし、しゃべれるわけねぇし。
どこに行った俺の天然湯たんぽ!
寒くなりつつありますからね。