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風待月1日目
とうとうやってしまった。
いや、この数日間黒猫さまによくついて行ったもんだと自分をほめたい。これもきっと森で鍛えられたおかげである。と自分で慰めても仕方がない。見失ってしまったと言ったら見失ってしまったのだ。
黒猫さまの護衛は人の通れない排水管の中を黒猫さまが行く先と選んだ時点でおしまいだ。
出る先を見越して回り道したけれど、黒猫さまは見当たらない。
そのとき俺の体にすーっと冷たいものが走ったことは忘れない。いや、金貨7枚がおじゃん。
やべぇやべぇ、と街を走り回ったがいないものはいない。
俺は泣く泣く宿に戻るしかなかった。いや、その時まではロンディになんといわれるか戦々恐々としていたわけで。
誰も老執事のセバスチャンが黒猫さまを抱いて待ってるとは思わないだろ!?
あけましておめでとうございます◎