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雨月29日目




今日も今日とて黒猫さまの護衛中である。

黒猫さまの行くところ、たとえ屋根裏、料理店の厨房、裏通り、ごみ捨て場でだってついていく。


俺が汚臭まみれになっている間、この依頼を受けた当の本人、ロンディは勝手に違う依頼をこなしている。

盗賊団のアジトを暴いたり、奴隷商人の元締めを見つけ出してさらわれていたお偉いさんの令嬢を救ったり、惚れられたり、求婚されたり……えとせとら。

それって、俺が求めていた王道、テンプレってヤツじゃなかろうか。

「いや、参った」と頬にキスマーク付けていう台詞じゃないだろうが。


緩んだ顔が憎たらしくて、殴りたい。くそっ、くそっ、ロンディなんて滅んでしまえ。

黒猫さまに癒しを求めようと手を伸ばしても引っ搔かれなくなって、ついつい度が過ぎた。

見事な爪痕が頬に残る。

ロンディとのこの差!なんだってんだもう!




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