最後の戦いと、愛の勝利
公爵様の証拠の提示により、騎士団の動揺は大きかった。しかし、シュナは諦めない。彼は、自分の権力と、私への嫉妬に駆られていた。
「嘘だ! その証拠は偽造だ! ルイジアナの魔術だ!」
シュナは叫び、騎士団の一部を率いて、私たちに襲いかかってきた。
「公爵様、お下がりください! ここは、私が!」
私は、公爵様を背中に庇い、シュナと、彼に従う騎士たちに立ち向かった。
私の剣は、彼らの剣を次々とはじき返し、彼らを無力化していく。私の剣は、殺意に満ちていたが、誰も殺さない。それは、公爵様の優しさが、私の剣にも宿っていたからだ。
そして、ついに、シュナと、私が対峙した。
「ルイジアナ! あなたのような女に、ロキサーニ公爵は渡さない!」
シュナは、私に向かって、猛烈な剣撃を繰り出した。彼の剣技は、確かに素晴らしい。だが、私には、戦場で培った、実戦の技術がある。
剣と剣がぶつかり合う。火花が散る。
私は、シュナの剣撃をかわし、彼の懐に飛び込んだ。そして、剣の峰で、彼の頭部を強打した。
シュナは、意識を失い、その場に崩れ落ちた。
「ルイジアナ! 無事か!」
公爵様が、私の傍に駆け寄ってきた。
「はい、公爵様。これで、全て終わりました」
私の手には、血は付いていなかった。私は、誰も殺さずに、この戦いを終わらせたのだ。
その時、宰相が、他の騎士団を連れて、裏庭に現れた。
「何事だ! シュナが、どうした!」
宰相は、倒れているシュナを見て、驚愕した。
公爵様は、宰相に、シュナの裏切りと、暗殺の計画の全てを説明した。
宰相は、顔色を変え、静かに頷いた。
「……信じられん。だが、お前の証拠と、ルイジアナ殿の証言があれば、事実と認めざるを得ない」
宰相は、私に向き直り、深々と頭を下げた。
「ルイジアナ殿。あなたを侮辱したこと、深くお詫びする。そして、弟と、ロキサーニ公爵家を守ってくれたこと、感謝する」
「顔を上げてください、宰相様」
私は、静かに言った。
その日、シュナは反逆罪で逮捕され、公爵様を狙う暗殺集団も、全て捕らえられた。
私の功績は、帝国中に知れ渡った。傷だらけの聖女が、公爵様と、ロキサーニ公爵家を救ったのだと。
私は、もう「化け物」ではない。公爵様を愛し、公爵様に愛された、一人の女性、ルイジアナだ。
その夜、公爵様は、寝室で、私を優しく抱きしめてくれた。
「ルイジアナ。あなたは、私の全てだ」
「公爵様。あなたこそ、私の生きる意味です」
私は、彼の腕の中で、自分の傷跡を、もう恥ずかしいとは思わなかった。この傷は、私が彼に出会うための、勲章なのだから。




