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第8話、占いと固有スキル

第8話です。

俺の名前はアルスーン・レッドフィールドです。

俺に何故かエレイナさんというエルフ族の女の子の婚約者が出来ました。

俺は今…ソニア婆ちゃんから、身体に異常が無いか検査を受けています。

いわゆる健康診断的な物だろうか。


「うむ…どこも悪くは無いね…傷は私の回復魔法で治したが…筋肉痛は数日中には治るだろう」

「強化魔法は使わなかったみたいだねアルス?」

「うん、エレイナさんの悲鳴が聞こえたから…無我夢中だったんだ」

「それに…俺は詠唱しないと使えないし…」

「魔法は詠唱しないと使えないのが普通だよ」

「まあ…余裕が無かったんだろうね…」

「3日間も眠っていた理由は…慣れない戦闘による身体の疲労と魔力の急激な消費だね」

「魔力の消費は寝るか、休息を取れば回復するからね」

「まあ…身体や魔力は体力や身体を鍛えれば増やす事も出来るし…焦らずにゆっくりと鍛える事だね」

「ありがとうソニア婆ちゃん」

「良かったわね?アルス!」


マリア母さんも安堵の表情をする。

強化魔法や回復魔法は一応ソニア婆ちゃんから教わっているけど…使うには詠唱しないと使えないからな。

エレイナさんを助けるのが遅くなってはいけないと…少し焦ってしまったみたいだ。

次の戦闘の時は使って置こう。


俺はソニア婆ちゃんの身体検査と健康診断的な物を終えて衣服を着る。

ソニア婆ちゃんは…俺の魔法や勉学の師匠でもあると同時に俺の専門医でもあるから…たまにこうして健康診断的な事をして貰っている。

3日間も眠っていた…慣れない戦闘と急激な魔力の消費が原因だと判明した。

これからラルク伯父さんとの修行で体力や魔力を鍛えればいいな。


「時に…アルス…そろそろお前にも占いをしてやろうかと思っているのだが?」

「占い…」


そうこの異世界では占いで将来の目標や方針を決める物がある。

ソニア婆ちゃんの言う占いとは恐らく"将来占い"の事だろう。

将来占いとは文字通り占いによって、その人の将来の仕事や進むべき道を決める物である。

本来なら大体10歳~12、3歳くらいから始めるのが一般的だと聞いていたが。

俺はまだ8歳だしな。


「早過ぎるなんて事は無いよ…私も将来占いは8歳の時にしたからね」

「そうだったんだ」

「それに初の戦闘で、あのグリーンミノタウロスを追い込んだんだ」

「もしかしたら冒険者や…ラルクの様に騎士になれるかもしれないからね」

「でも冒険者はやめて欲しいわ…また怪我とかしたらお母さん心配になるし」

「大丈夫だよマリア母さん!…今度は上手くやるし、ラルク伯父さんとの修行でもっと強くなるからさ」


マリア母さんの心配も分かる。

自分の子供が…今回の事でも魔物との戦闘によって怪我をして帰って来たら、気が気じゃないよな。

ましてや、もし将来占いで戦闘職を専門にする冒険者にでもなったら…怪我もするだろうしな。

だけど…だからこそ、ラルク伯父さんや自分自身の修行で強くなってマリア母さんやソニア婆ちゃんやライゼル村のみんなを守れる様になりたいしな。

いずれは固有スキルだって身に付けたいし。


そう伝説の勇者みたいに…

ん?…今一瞬、身体の中や頭の中で何かが光った様な…気のせいかな。

あと何だか身体の奥から力が沸いて来る様な…温かいな…何だろう、ソニア婆ちゃんのリラックス魔法かな。

でもソニア婆ちゃんは何もしていないし…やっぱり気のせいかな。


「将来占いだけじゃなくて…結婚占いもして置こうか…アルス」

「え?」

「エレイナさんというエルフ族の族長の娘の婚約者が居るのだろう?」

「でも結婚占いは…将来の結婚相手が居ない人がやるんじゃ?」

「そうですよソニアさん!」

「アルスは私にとっては孫も同然なんだから…その結婚相手と幸せになるかを占うのは当然じゃないか?」

「まあ…そうですわね…」

「マリア母さんまで…」


多数決でソニア婆ちゃんの勝ちかな。

勝ち負けの問題じゃない気がするけど…まあいいか。

ソニア婆ちゃんとマリア母さんと俺との三人で、ソニア婆ちゃんの自宅に移動する。

ソニア婆ちゃんの自宅は主に薬草や薬の調合と、たまに占いを行う事がある時はライゼル村の人や、遠方からソニア婆ちゃんから占って欲しくてわざわざ来る人も居るくらい有名である。

ソニア婆ちゃんは家庭教師だけじゃなくて…魔法も凄いけど、占いも的確なのでみんなからの信頼も厚い。

もちろん薬や薬草の調合も出来て、医師免許も持っているので…俺が言うのも何だがとにかく凄い人なんだ。


「さて…始める前に、アルス!他の人と同じようにやるからね?」

「うん」

「もし占いの途中で体調が悪くなったり気分が悪くなったら我慢しないで必ず言うんだよ?」

「分かったよソニア婆ちゃん」

「マリアさんは控え室で待っていておくれ」

「分かりました…アルス、また後でね?」

「うん」


そう言ってマリア母さんは占いを行う部屋から出て行く。

占いの結果や占いの最中は多少魔法も使用するので、人によっては体調が悪くなる人も居るのだ。

占いは基本的に色々な種類がある…タロット、お札、水晶玉、中には直感的な物や紙に書く物等もある。

今回のソニア婆ちゃんの占いは水晶玉を用いて行う。

実は水晶玉を使う占いの方が的中率や確率がとても高い。


「では始めるよアルス?」

「はい」

「お前の名前は?」

「アルスーン・レッドフィールド」

「年齢は?」

「8歳です」

「性別は?」

「男です」

「誕生日は?」

「……」


次々に俺の情報を言って、ソニア婆ちゃんに伝える。

もちろん占いに欠かせないからである。

その情報が細かければ細かい程…占いの結果が明確になるのだ。

水晶玉を使う場合は…水晶玉に魔力と魔法を込めながら、占う対象の情報を魔力語という言葉を詠唱の様に発言しながら…水晶玉の中に刻んで行く。


実はこの魔力語という言葉は…特殊な言語の為…素人には何を喋っているかは、ほとんど意味不明なのである。

それを詠唱の様に発言しながら集中して行うので、素人がやるとまず上手くいかない。

ソニア婆ちゃんの様に長年魔法使いをやっていたり、魔力語の勉強をやっていないと出来ない。


「よし…結果が出たようだね?」

「そうなんだ」

「今から見るよアルス?」

「はい」


占いとは言っても割りと早い物だな…結構時間がかかると思っていたけど。

占いの時間はすぐに出て来るのが一般的だけど...人によっては時間がかかる場合もあるみたいだ。

俺のお母さんことマリア母さんの将来占いの時は…三時間くらいかかったみたいだ。


「ん?…アルス…あんた固有スキルを持っているみたいだよ?」

「え?僕が固有スキルを?」

「グリーンミノタウロスとの戦闘で覚醒したか…あるいは特殊固有スキル取得者か…」

「ええー!?」

「でも固有スキルの詳細は分からないから…王都キングダムウォールに行ってスキル鑑定を受けないといけないね…」

「もしだけどアルス…特殊固有スキル取得者だった場合は…貴族か…それ相応の役職になれる可能性があるよ?」


俺が貴族?…考えた事も無いけど。

でも特殊固有スキル取得者だった場合は、貴族に成ったりや王族の人と結婚したり…かなりの地位の人や役職に就く事が出来るから。

いわゆる出世街道的な感じかな。


「でも…仮に特殊固有スキル取得者じゃなかったとしても…固有スキルをまだ8歳で覚醒や取得したのは…私に続いて三人目だね…」

「ええー…、ん?三人?」

「ほら…あんたの剣の師匠の…」

「え?ラルク伯父さんも!?」

「おや?知らなかったのかい?」


ラルク伯父さんも8歳で固有スキルを取得した人だったんだ。

ああ…だから騎士団の騎士団長が出来たんだ。

固有スキルを取得したり、覚醒した人はそれなりの役職に就けるって言ってたもんな。

さすが俺の剣の師匠だ。


「えーと…将来は…」

【…人助けをする者…】

【…真実を見極める者…】

【…自由の戦士…】

「なんだいこれは?」

「あれ?…何だろう…身体の奥から力が溢れて来る様な…」

「アルス?…あんた何をしたの!?」


俺の身体が突然光輝き始める。


~一方で王都キングダムウォールでは~


「…………」

「何事だ?これは?」

「殿下御下がり下さい!」

「分かりません、突然…"勇者の剣"が…」

「剣が呼んでいる!?」

「まさか…」

「お兄様!…一体何が?」

「ユイナ…父上を呼んで来てくれ」

「皆の者も早く陛下を!」

「はい!…ただいま!」


「この剣の輝き、お兄様…もしや?」

「ああ…恐らく勇者が現れたみたいだ…」

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