2日目 side:村上
今、俺は誰もいない夜の学校の校門に1人佇んでいる。
いや、俺はこの場所を知らないから、学校のような何かかも知れない。
これが外ならば良かったのだが、残念ながら立っているのは校門の中である。
スマホで連絡しようともなぜか圏外。
目の前に聳え立つ校舎の窓からは不気味にも非常口の光だけが伸びていた。
俺はどうしようもなく、校舎の玄関口へと歩く。
その入り口はまるで俺を誘うように大きく開かれていた。
鍵を閉め忘れたという可能性は低いので、少なからず中に誰かいる。
そう信じて俺はレッドカーペットのように赤い廊下へと進み始めた。
しばらく歩いたが誰も見当たらないうえ、先ほどの入口以外は固く閉ざされていることがわかった。
中央に位置する階段をまた一階分登る。
スマホのライトがなければおそらく動けないほど暗い通路に壁の小窓から覗く少しの月光が俺の恐怖心を掻き立てた。
先ほどが3階だったのでここは4階だろうか、階段はこの階で終わっている。
少し歩き右側の廊下に向かって
「誰かいませんかー?」
大声で叫んだ。
当然のように自分の問いに応える声はなかった。
残念なような、はたまた幽霊が答えることがなく、安心したようなそんな思いにかられる。
学校も一通り探検し、気も済んだので階段を下ろうとする。
その時、今まで顔を覗かせなかった月の光が背中から差し込んできた。
思わず、その神秘な輝きへと、身体を回した。
そこには、満月を背に、煌々と降り立ったかのような女神がこちらを覗いていた。




