昔々
最近、妙な夢を見る。
それは知らないアニメが再放送する夢であったり、あるいは知らない部活での先輩との1日であったり。それだけでは存外普通の夢かもしれない。だけど僕はその夢から醒めるたび、どこか懐かしく、切なく、儚い、話したくなくて必死にもがくような謎の感情に襲われ、一粒の涙を流していた。
必死に思い出そうにも、脳にこびりいているのは写真のように一瞬の風景で、他に思い出せるのは大まかなストーリーのほかなかった。
これだけは断言できる。
俺はあのアニメを観たことも、彼女に出逢ったことも絶対にない。
だけれども、俺はあの短い時間で、あのアニメを好きになり、そして、世界で1番愛らしい人ができた。
最近妙な夢をみる。
それは、見たことのないネックレスを机を置くから見つける夢だったり、あるいは知らない後輩との放課後の話であったり。それだけでは、存外普通の夢かもしれない。
だけど私はその夢から醒めるたび、どこか懐かしく、切なく、儚い、話したくなくて必死にもがくような謎の感情に襲われ、一粒の涙を流していた。
必死に思い出そうにも、脳にこびりいているのは写真のように一瞬の風景で、他に思い出せるのは大まかなストーリーのほかなかった。
これだけは断言できる。
私はあのネックレスを見たことも、彼と出会ったことも絶対にない。
だけれども、あの一瞬で、ネックレスは宝物となり、私は彼に恋をしてしまった。