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スナイパー流川

僕は陸上部に入部した。

でもそこにはもう憧れの人はいない。

デブで油をまき散らすだけの妖怪がそこにいるだけだ。

この学校に入学した意味を見失った。


「あの・・・何してるんですか?」

「練習だ」

「ただ寝ているだけに見えるんですけど・・・陸上部らしく走ったりしないんですか?」

「何を言っている少年・・・これが最も陸上部らしいんだよ・・・陸上に寝そべる・・・陸上部そのものじゃないか」

「あっ・・・何言っているわからないのでもういいです」

まともな奴はいないのだろうか?

「まて少年名前を聞いておこうか」

「中野宮武志です」

「俺は流川銃参ながれがわじゅうさんだみんなからはスナイパーと呼ばれている」

「スナイパー・・・この人何か狙ってるのか?」

「中野宮・・・今最高の状況だよ」

「何がですか?」

「見たまえ!女子がよく見える」

「はあ?」

流川先輩の視線の先には女子がいた。

「この狙撃ポイントから見える女子は最高だ」

「見ろ長崎がいるぞ胸の揺れがよく見える」

「完全にのぞきじゃないですか犯罪犯罪!!」

「貴様は・・・見たくないのか・・・」

「いやそういうわけではないです・・・が」

「何をしているの・・・?」

「えっ・・・?」

女子の声、僕の後ろに怖い顔をした女子が立っていた。

先輩は?

「いっいない?」

「何をしていたの?」

「いや流川先輩が・・・」

「あんた流川の仲間?変態?」

「ちっちがう」

「じゃあなんでこんなところにいるのよ」

「それは流川先輩が・・・」

「やっぱり流川の仲間ね!あいつはどこにいるのよ?この変態が!!!」

「そんな・・・」

変態認定されてしまった・・・してしょんぼりして部室に移動する。

部室の横に流川先輩がいた。

「流川先輩酷いじゃないですか!!変態認定されたんですよ」

「しっ」

「なにを・・・?」

「ここも狙撃にはもってこいの場所そしてお前は変態だろ」

「違います!」

「しっ」

流川先輩の視線の先には女子

「甘いわ女子どもめ俺の視線から逃げられると思うなよ」

「流川先輩もうやめましょうよ」

「大丈夫だ。ここなら簡単には見つからない。俺たちの陣地だからな」

「こんなことしてないで陸上の練習しましょうよ」

「これも練習だ。走り高跳びの背面跳びの姿勢を維持し続けているんだ」

「絶対違いますよね」

「まずい!移動するぞ」

「どうしたんですか」

「スナイパーは居場所を知られたら終わりだ。打ち終わったら即移動、そして息をひそめてチャンスを待つこれが俺の仕事だ」

そう言うと流川先輩は走り去っていった。

打ち終わった?何を言ってるんだ?

「またあなた?やっぱり陸上部流川の仲間ね」

「ちっ違います違います本当に違います」

「先生に報告よ」

首根っこを捕まれ連れて行かれそうになる。

「チェイスト!!!」

「ヒェッ!!」

長崎さんお尻に流川先輩の指が刺さる。

「この変態が!!!」

「今だ逃げろ!!」

僕と流川先輩は走った走って逃げた。

「ありがとうございます」

ありがとう?流川先輩のせいでこの状態なのにありがとうはおかしい気がする。


翌日・・・。

部活に行くと女子の壁が出来ていた。

大勢の女子が陸上部に来ていた。

どうやら流川先輩の暴挙に対して講義しに来ているようだ。

講義の内容を聞いていると・・・僕も抗議の対象になっていた。

完全に仲間だと思われている。

「違う違うんです誤解なんです」

「何が誤解よ陸上部全員変態じゃない」

「そんな事は無い!」

「変態代表のお前が言うな!!」

確かに流川先輩が否定をしてもなんの説得力もない。

「俺は変態じゃないぞ一緒にするな」

油藤先輩が油をまき散らしながら抗議する。

「きゃーなになに」

女子たちに油がかかり女子たちが散っていく。

「見たか女子どもこっちには油藤先輩っていう秘密兵器があるんだ。2度と陸上部に近づくんじゃねぇぞ」

「すいませんすいませんうちの先輩たちが・・・」

「あんた責任もって何とかしなさいよじゃないとあなたも変態でデブになるわよ」

女子たちは油藤先輩の油攻撃に耐え切れず逃げていった。

「やりましたね油藤先輩女子たちに目にものくらわしてやりましたよ「」

あーなんだかどんどん陸上部が嫌われて・・・ついでに僕も嫌われ者になっていく気がする。

「よしこれでお前もデブで変態になれるな」

「絶対になりません」




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