この世界はゲームになりました。
2027年7月20日3時13分
【この世界はゲームになりました】
【これより、プレイヤーにはシステム補助が発生します】
【プレイヤー数8,659,441,932人】
【モンスターを発生させます】
【4323ヵ所にボスモンスターを発生させます】
「ん?なんだ今の?」
僕は謎の声により、目を覚ました。
周りを見てみるが、真っ暗な自分の部屋だ。
「パソコンでもついてたか?」
部屋の電気をつけて、パソコンを確認してみるが、電源はついていない。
スマホを見てみても、何もない。
「夢か?はぁ、変な時間に起きちゃったな」
僕はそう思い、再び眠りについた。
ステータス
名前:恋葉瑠惟
レベル1
能力:
職業:
HP(体力):1000
MP(魔力):30
SP(技力):30
STR(筋力):100
END(耐久力):100
AGI(速度):100
DEX(器用):100
「やっば今日こそは遅刻する!!」
朝起きると、8時だった。
どうやらアラームは無意識のうちに止めていたらしい。
学校は8時40分に門が閉まる。
僕の家から学校までは30分だ。
「こんな寝ぐせだらけで学校行けるかよ!やば、急いで直さなきゃ!絶対昨日変な時間に起きたせいだ、、」
急いで顔を洗い、ワックスをつけて寝癖を誤魔化し、制服を着る。
リビングに行っても親はいなかったので、今日は朝早くから仕事だったようだ。
「くっそ居たら起こしてくれるのに!!ってもう15分!?絶対遅刻するんだけど!?」
僕は急いで家を出て走る。
全力で自転車こぎ、汗が垂れてくる。
7月後半なので、気温は40度近く、日差しが痛い。
地球温暖化のせいで、毎年毎年気温が上がってきている。
「5年後に最高気温50度とか言ってんじゃねぇのってレベルだわ」
「それな!俺北海道にでも引っ越そうかな」
こいつは市道祐樹。
一言でいうなら、陽キャだ。
もうそれでしか表現できないレベルに陽キャだ。
「おま、朝練は!?今日最後の朝練とか言ってただろ」
「寝てたに決まってんだろ!なんか昨日変な時間に目覚めたんだよ!最悪だわ!」
「まったく一緒なんだが!!仲いいな俺たち!」
市道はサッカー部のキャプテンで、もうすぐ引退するので、今日が最後の朝練だった。
高身長でガタイがよく、顔はイケメンというレベルではないが、明るく性格もいいので、女子からの人気が高い。
もうすぐ引退ということもあり、今月後輩のマネージャー、クラスメイト、地元の女友達と3人からも告られている。
どうやったら傷つけないで振れるか相談された時にはぶん殴ってやろうかと思った。
僕はまだ人生で一度も告白されたことがないというのに、、
「ま、幼馴染だからな俺たち!よっし!ギリセーフ」
「アウトだ市道、最後の最後に遅刻するとはいい度胸してるな?」
「うわ!今日の門当番ムラ先かよ!ついてねぇーな!!」
サッカー部顧問の村上先生だ。
どんまい、市道。
にしても今日は遅刻多いな?
いつも多くても10人くらいなのに、30人近く遅刻している。
今日が終業式だからみんなめんどくさかったのかな?
教室に入ると、何やら騒がしかった。
何かあったのか?
「何みんなで話してんだよ。俺にも教えろよー!!」
「昨日3時くらいに変な声聞こえなかった?」
「え?お前も!?」
スマホを見てみると、ネットでも話題になっている。
深夜3時に謎の声が聞こえたと、、
「「この世界はゲームになりました??」」
「らしいぜ?起きていた人はそうやって聞こえたって、どうなってんだよ」
「なんかモンスター?が出るみたいな。ネットじゃラノベ展開きた!とか騒がれてるみたいよ」
この世界はゲームになりました
これより、プレイヤーにはシステム補助が発生します
プレイヤー数8,659,441,932人
モンスターを発生させます
4323ヵ所にボスモンスターを発生させます
ネットの情報によると、そう声が聞こえたらしい。
なんというか頭に声が直接くる?みたいな感じだったらしい。
言われてみればあの時そんな感じの声が聞こえた気がする。
確かにラノベ展開を期待する気持ちもわからなくはない。
「お、おい!これ見てみろよ!!」
「え、ドラゴン!?え?これマジなのか?自衛隊とか戦ってるけど!!」
映像は東京でドラゴンと自衛隊が交戦している動画だった。
戦車や戦闘ヘリがドラゴンと交戦しているが、全然効いているように見えない。
ドラゴンは炎のブレスを吐き、戦車や戦闘ヘリを次々融解させていく。
東京スカイツリーは倒れており、高層ビルもいくつも倒れ、そこら中で火事が起きている。
とても現実とは思えないが、同時にCGとも思えない完成度だった。
緊急アラートがなった。
ただいま全国で謎の生物を多数発見。
国民の皆様は安全のため、避難してください。
むやみに町中を出歩くと危険ですので、必ず避難所にいてください。
自衛隊が救出に向かいますので、それまで安全に待機してください。
また政府が緊急放送をするため、避難できた方はそちらを見てください。
「やばいんじゃないこれ!?どうすんだよ!!」
「落着きなさいよばか!!まだ何も起きてないじゃない!」
「起きてるだろ!東京とか、大阪とか主要都市はもうだめだってネットに書いてあったぞ!」
全員がパニックになっている。
うちのクラスだけじゃない。
廊下や隣のクラスでもパニックになって大騒ぎだ。
このままだと、まずい。
こういう時こそ、冷静でいるべきだ。
【みなさん、サッカー部顧問の村上です。みなさんご存じでしょうが、今外は危険な状態です。絶対に校舎から出ないでください。今から各教室に先生が向かわれるので、静かに教室に待機していてください。これは訓練ではありません。一歩間違えればあなた達の命が危ない。絶対に先生方の指示にしたがってください】
「さすが、ムラ先だな。相変わらず頼りになる」
「市道、、でもこれ結構やばい状況だぞ」
「まあな、でも俺達にできることなんてないぜ?今はみんなを落ち着かせよう」
頼りになるのはお前もだよ。
さすが性格イケメン、悔しいけど、これはモテるなー。
それにしてもムラ先あんなイケメンなのに、独身なの一番の謎だわ。
「みんな落ち着いてくれ!パニックになる気持ちはわかる。でも今は落ち着くべきだ。先生がくるまで静かに待とう!!」
「そうだな!さすが委員長だ」
市道のおかげで、少しみんなが落ち着いた。
市道は教室を出ていき、他のクラスも落ち着かせてくるそうだ。
「教室は頼んだぜ副委員長!」
「任せろよ」
あいつが推薦するからなってやった副委員長にまさかこんな大仕事があるとは、思ってもみなかった。
あとで文句を言ってやろう。