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双子の戦聖女物語り  作者: ばななーど
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フランジア炎上前夜

セイラの率いる一軍は、フランジア王城に乗り込み苦もなく制圧を果たしたが、権威を失った王城にはほとんどの従者は残って居なかった。セイラは内政を整えるため、物資を持ち込み市民に協力を呼び掛ける。そんな中、内紛の気配が見えてきたのである。

天気の穏やかな初夏の某日、セイラは異大陸に渡り5年間過ごしたフランジアの制圧に旅立つ。


 既に魔法大国であるアンブロシアからの手が入ったため、フランジアには他国が攻め込む事もなかったが、ただただ政治が行き届かず荒れていた。


 国王は無能であったため、既に権力は失い、王国の魔法師は多くは野良魔法師となり徒党を組んでいる有様であった。


 


 セイラの一向は、以前転移魔法で侵入した際に使った座標からフランジアの主城に侵入した。  


 本来の体勢としては、大人数で侵攻するのが定石であるが、基本大きな魔法を使う彼等は、大人数での侵攻はむしろ不都合だった。


 主城の玉座に向かうセイラは大賢者シェスターに守られ進んでいく。


 城には途中守備隊はおらず、文官も見当たらない。


 玉座の間に入るとうなだれた王と若い女性魔導士とボロボロの剣士、若い文官の3人が居るのみだった。


 王に近づこうとすると、結界が発動して近づけない。シェスターの指先から青い閃光が走り結界をいとも簡単に破壊してしまう。


 ボロボロの剣士が正面に立ちふさがるがセイラの護衛騎士マリベルが瞬時に弾き飛ばす。


 「フランジア王、お久しぶりです。リーシェでございます。」


 「お前は、この国を奪いに来たのか?」


 「私もアンブロシアに渡って真実を知って、名前も変わりました。今後はセイラとお呼びください。大人しくして下されば、身柄は保証致します。」呆気なく主城は制圧された。


 とは言え働く人間がほとんど居ない城は、手が行き届かないため全く使い物にならない状況である。


 「このままでは、この城は使い物にならないですね。」ファンタムは続ける。


 「私の精神魔法で街の人間を操作しましょうか?」


 ファンタムは、魔族の出身でありセイラの母メルティアに能力を見出された、特殊魔法の逸材で、ルーナの側近である第二聖女クロエと並ぶ人物である。


 「それでは、本当の民心は得られないと思います。取り敢えず、物資を持ち込んで、町に溶け込みましょう。」






 その頃、フランジアの隣国であるシエラベールでは、将軍ラウダは虎視眈々とフランジアを攻める準備をしていた。


 アンブロシアからの反撃に備えて既にもう一つの隣国であるゴルドラ王国を支配下にいれており、フランジアの周囲は既に取り囲まれているのだ。


 更に魔法大国であるアンブロシア対策として、何人かの魔女や魔王を囲い込んでいるのだ。


 そんなシエラベール公国が動き出したのである。 





 フランジアの首都レドナは、荒廃していた。


 セイラ達は民心を得るために、炊き出しや、治安整備、ライフラインの構築に奔走していた。


 そんなセイラ達を尻目に、シエラベール配下の第二軍師であるミロード伯爵はフランジアの野良魔法師をかき集め首都レドナを襲撃する為の準備をしていた。


 「現在、首都レドナはアンブロシアが少数精鋭を送り込んで、統治にあたっている様なのだが、今ならレドナを取り返せるかもしれない。」


 「しかし、今回はまたリーシェ様が町に入られているから、返り討ちにされかねないぞ。僅か6歳ではあるが、あの方にはとても太刀打ち出来ない。」


 「心配無用だ!その為に、シエラベールは魔女を二人も連れて来ている。彼女たちがアンブロシア勢力の相手をする。更には、我が国が誇る、剣聖も3人ほど紛れ込ませているからには万全だろう。」


 「・・・分かりました、明日にもレドナに攻め込みましょう。」


 戦争の幕開けであった。


ご閲覧よろしくお願いいたします。

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