卒業そして
いよいよ、魔法学園の卒業である。そしてルーナの決心はアンブロシアではなく、広い世界に向けられた。その、決心の日が訪れようとしていた。
セイラは大魔導師長アルフィンと話をしている。アルフィンは、シェスター達と同じくメルティアの側付きで、魔導強化種である。
「セイラ殿下、覚醒お疲れ様でした。」覚醒が本人にとって決して喜ばしい事象では無いという事が、過去のメルティアを見ているアルフィンは痛感しているのだ。
「覚醒って、皆んな喜んでくれるから笑ってるんだけど、胸の奥から何かが溢れてくる感覚があって抑えた方が良いのか?解放してしまった方が良いのかよく分からないんです。」
「メルは悩んでたよ。何か自分だけ人間ではなくなったかの様に思えて、孤独になったみたいだったの。」
「あぁメル母様はそう感じてたんだね。」
「まぁそこをつけ込んだシェスターがメルの心を射止めたんだよね。」
一方、玉座では静かに王位継承順位の話しが囁かれていた。アンブロシアでは血族の継承ではなく、力による継承がなされて来た国である。こんなに早期に覚醒魔導師が、血族から輩出できた事は喜ばしい事であった。
「これで、ルーナ殿下が覚醒しない場合は、セイラ殿下が女王で決定ですな」
「うむ。二人とも我が国の女王として立てたい所だが、やはりどちらかになってしまうのだろうな、、、」
水面下では現在ルーナの第一皇女派とセイラの第二皇女派の静かなる継承順位争いも動き出していた。
そんな話しもありつつ学園生活に戻った2人であったが、一見何事もなく時間が過ぎているようであった。
卒業を迎えるある日、突然に事件が起こったのである。卒業時の席次は、首席はルーナで次席がセイラであったが、そこでルーナがまさかの事件を起こしたのである。
「セイラ・・・私ねアンブロシアを出ようと思っているの。」
「えっ何言ってるの?アンブロシアの女王はルナ姉じゃない。いなくなってどうするのよ?」
「セイラ貴女が女王になりなさい!私が女王になっても誰も悦ばないわ。私疲れちゃったの。どれだけ頑張っても、どれだけ上手くやっても、ただただ当たり前と思われるだけ、誰も褒めてくれない、認めてくれない、、、もう疲れちゃったぁ。」淋しそうに話すが涙はない。
「そ、そんな事ない!お姉ちゃん居なくなったら私一人でどうすれば良いの?」
「大丈夫!シェス父様が助けてくれるわ。」
「・・・・・」
「さぁセイラ、ケジメをつけましょう。今日この場で、貴女が私より強い事を証明しなさい。」
決闘が始まったのである。
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