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双子の戦聖女物語り  作者: ばななーど
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双子の帰還

隕石群の災害は、アンブロシアでも回避された。戻った二人の王女は歓迎された。しかしながら、その対応はルーナには悔しいものであった。しかも、妹のセイラは姉であるルーナを差し置いて覚醒してしまったのだ。少しずつ、双子の戦聖女の歯車はそれぞれに進んでいくのであった。

エルシア帝国は、ルーナとセイラの二人の活躍によってかろうじて滅亡の危機を回避する事ができた。


 ドアルゴス連邦はこの度の戦闘においてエルシアだけでなくアンブロシア聖教国にまで手を出してしまった。


 当然、魔法大国の中でも最も力を持つアンブロシアがこれを見逃す訳もなく、大魔導師長アルフィンとアンブロシア四魔聖率いる精鋭20人により、あっさりと報復・制圧されてしまった。


 一方で賢者シェスターと賢者シーベル・聖女クロエはエルシアにルーナとセイラを迎えに来ていた。


 たった一人で時間を稼いだルーナのダメージは酷く、セイラが最強治癒魔法を施行してもなお身体的、精神的な深傷を残していた。聖女クロエは直ちに治療に着手している。


 セイラは翼が出せるようになっている急拵えのローブを着て放心していたが、シェスターの顔が見えるとフニャッと微笑んだ。


 「セイラ!無事でよたったよ。よく頑張ったね。ルーナも護ってくれたんだね。有り難う。」シェスターは大事な物を確かめる様にセイラを抱きしめる。


 セイラも躊躇いながらシェスターの頬に優しく触れる。


 「姉様は大丈夫?」


 「ああ、君の治癒魔法でなんとか大事に至らなくて済んだよ。」


 「ねぇシェス?私どうしちゃったの?」


 「君はお母さんと同じ道を歩み始めたんだ。アンブロシアの女王候補としての道を・・・見た目も少し変わっちゃったけど大丈夫、とても綺麗だよ。」


 「うん、何か身体の中から暖かい物が溢れ出てくる感じがするんだ。」覚醒後魔力を纏った身体は以前と比べて少し色白でまるで光っているように見える。


 「それは、セイラの優しい魔力だよ。君の魔力は皆んなを幸せにするためにあるんだ。さあ、一度アンブロシアへ帰ろう。」


 

 

 シーベルは、ルーナの枕元に座るとルーナの手をにぎり静かに呟く。


 「よく頑張ったな・・・お前の見えない努力は俺が憶えておく。」


 「・・・」今回結局は何も出来ずに負傷したルーナは目を閉じて、悔しくそうに一筋の涙を流した。  





 アンブロシアに戻ったルーナとセイラを待っていたのは、アンゼル皇帝を含む家臣総出の歓迎である。


 特に覚醒を達成したセイラに対する期待は大きかった。


 姉のルーナよりも先に覚醒したセイラはアンブロシアの女王候補としての資格は完全に一歩リードした感じだ。


 皆真っ先にセイラを讃えた。


 実際ルーナを助けたのもセイラであるが、セイラが攫われて不在の頃から女王候補として必死に努力してきたルーナには悔しい風景として刻み込まれた。


 今回の隕石の防御に対しても先んじて護りに入り活躍したルーナではあるが、セイラの覚醒を前に完全に影に隠れてしまった。  


 「セイラが羨ましいわ。私の努力は誰にも分かってもらえない。私はどれだけ頑張っても当たり前・・・なんだよね。」ルーナは思い詰めていた。


 「いま私に出来るのは、努力する事だけ。結果を出せたらセイラと闘おう。そして結果はどうでもアンブロシアから出ていこう。少し良い子である事に疲れちゃったみたいだから・・・」


 ルーナは成長の為に、セイラとは全く逆の事を考えていた。


 ルーナは帰城してすぐに自室に閉じこもり、早速魔法構成を組み立て、魔力を練り上げ始めた。


 魔力量に関しては、覚醒したセイラとはかなりの差が出来てしまっていた。そこでセイラは考えたのだ。


 魔力の効率と質をあげる事によってセイラに追いつこうと考えたのだ。


 その為の特殊な魔法も組み立てて魔力を練り上げる。


 魔力を薄く希薄化し必要魔力量を最小化、その分魔力の質を丁寧に研ぎ澄まし効果を最大化して行く。


 そして自分の全ての魔法構成に適応して行く。


 無詠唱は当然で魔力の転換速度すら高速化して行く。魔力のコントロールに関しては未踏の領域に達していくのだった。

ご閲覧ありがとうございました。

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