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双子の戦聖女物語り  作者: ばななーど
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隕石

 セイラを狙ったマインクラウ家の陰謀は、セイラの魔力暴走によって砕け散った。駆けつけた許嫁のシェスターは、セイラが放っておけなくなってセイラの付き人としてルセイル帝国にとどまる事になった。

 そして新たな悪い事件が起きるのであった。

シェスターに抱かれたセイラは酷い状態だった。ほとんど全裸状態で内臓に届く傷を含めて全身が傷だらけなのだ。


 「トリプレッド・ハイヒール」傷ついたセイラに高度治癒魔法を3つ重ね掛けする。何とか外から確認できる傷は消えた。


 「あっ シェス?助けに来てくれたんだね。嬉しい・・・」少しだけぼんやりした瞳でシェスターを凝視める。


 シェスターはギュッと抱きしめて呟く。「ごめんね。今回もこんなになるまで気づかなくて・・・」


 「ううん、そんな事ない。あんなに私のために怒ってくれて嬉しかったよ。」


 「我慢できない!僕もこの街に来るよ。近くにいる。」


 「お仕事大丈夫なの?」


 「何とかするよ。」


 ルーナはエルネスとのデートを終えて帰って来ると一言「セイラは一人にはしておけないってことだね。父上はちゃんと面倒見なきゃダメだよ。」


 今回の件はアンブロシアとルセイルでの国際問題であり、戦争にもなり得る事案であった。しかしながらアンブロシア側の寛容な対応で事なきを得たのだ。


 代償として、マインクラウ侯爵家は取り潰し、マインクラウの領地は飛び地としてアンブロシアの領地となった。


 領主はシェスター・ウィン・レインフィールド伯爵である。


 ルーナとセイラの学園生活が安全に過ごせる様に配慮されたのであった。





 その後暫くは、平穏な日々が続いている。


 最近はシェスターが非常勤講師として学校に出てくるようになっていた。


 元から居る講師ではルーナ達の力は抑えきれなくなっていたのだ。


 シェスターが作る幾重にも重ねた魔法防壁のなかで心置きなく魔法が使える様になったのだ。


 見ものなのは、ルーナとセイラの魔法戦である。もう異次元の魔法戦である。


 剣術も二人が抜き出ており他では相手にならなかった。


 しかしながら、いつもルーナがセイラを余裕で制するのであって、攫われていた生後5年間の空白は埋まる事はなかった。





 そんな中、ルセイル帝国では大きな問題が浮上した。ただ事では済まされない状況が起こっていたのだ。


 本来は帝国の問題ではあるのだが、帝国の手に余る状況なのだ。


 その状況とは、大量の隕石群が帝国に降り注ぐという大規模な天変地異の発生である。


 帝国滅亡のシナリオだ。


 ルーナ、セイラやシェスターにとっても無視できない状況なのだ。


 「でも何故こんな降って湧いた様な災害が起こるのかしら。誰かが裏で糸を弾いているのかしら。」ルーナは意味深に首を傾げ話を繋げる。


 「ルセイル帝国がダメージを受ければ、得をする国があるとか・・・まさかね。」


 「だからと言って、我々アンブロシアが勝手に動く理由もない。現状で我々は部外者だからな。」シェスターは付け加える。


 丁度バツが悪そうに、エルネス王子が会話に参加してくる。「そう言わないでくれないか、その件についてはこの場を借りて説明させていただきたい。」


 「事実としては、皆さんが話していた通りこのルセイル帝国に多数の隕石が落下するという事です。それも明朝に・・・」


「えっ、早過ぎます。どういう事ですか?」


「本来ならば数ヶ月前から把握してなければならない案件ですが、発覚したのは今朝です。余りにも突然の事で市民や王宮内ですら納得いく説明がされていないのです。」


 「なるほど・・・あきらかに不自然な状況ですね。恐らくは隣国の集団魔法の可能性が高いですね。」


 「そこで改めて、魔法大国であるアンブロシアに救援をお願いしたい。」エルシア王子は頭を下げる。


 「お言葉ですが殿下、我が国が手を貸すにしてももう時間がありません。我が国の精鋭達を集めれば守り切れるとは思いますが準備に時間がかかります。」シェスターは難しい顔をする。シェスターはアンブロシアの宰相なのだ。


 「そこで、並外れたお力をお持ちのルーナ殿下、セイラ殿下のお力をお貸しいただけないかと・・・」


 「それは許可できません。危険過ぎます。わたしがこれからアンブロシアに戻り結界構築の為の応援を集めて対応します。姫達は一旦帰国させます。」当然の判断である。


 



 シェスターはルーナとセイラを連れてアンブロシアに戻ると早々にアンゼル皇帝に報告を行い、出撃許可を取り付けた。その足で全ての上位魔法師を集めて、ルセイルへの集団遠隔転移を準備していた。


 「大変だわ、突然多数の隕石が大気圏外に出現したわ。」大魔導師長のアルフィンが報告に駆けつける。落下地点はアンブロシアのど真ん中であった。


 シェスターもまた他国の陰謀である事を確信したのだった。


 「これでは、ルセイル帝国に救援は送れないじゃないか。」自国の守備が優先されるのだ。どうにもできない状況であるが、ここで頼りになるのは、メルティアの意思である。シェスターは、メルティアAIに状況を説明し指示を仰ぐ事とした。


 『久しぶりね、シェス!話はルーナとセイラから大体聞いたわ。ルセイル帝国は、私達の娘に任せましょう。』


 「大丈夫なのか?しかも二人だけなんて・・・」


 『でもこちらだって他に回せる人材なんていないでしょう?ルセイルも見殺しには出来ないでしょうし・・・大丈夫!二人は私達の血を受け継ぐ最強の魔導士よ。ルセイルはあの子達に任せましょう。』


いつもご閲覧ありがとうございます。

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