キナ怒る
「ふ、ふふふ!ははは!はーっはっは!無様ね!ヨトリ!」
「ウ、ォルト、なん、で?」
「まだ分からないの?私はヒウア。ヒウア・メギスよ。ウォルトは死んだわ。器には心臓はいらないからね。私の心臓を置く場所の邪魔になるから。まぁ心臓といっても私達メギスからすればコアというものなのだけれどね」
「ク、ソ、ババア、が」
ヨトリはヒウアの攻撃を受けそのまま地面に倒れ込み俺は倒れたヨトリに近づき
「おい!大丈夫か!無理をするから」
「無理、など、していない、わ。私に、は、ウォルト、しか、いない。それ、だけよ、あなたに、お願い、ウォルト、を、助けて、ヒウアを、メギスを、殺し、て」
ヨトリは俺にそれだけいい残すと意識を失う。
「ミワ。すまない。後ろでこいつをヨトリを治していてもらえないか?」
俺はヨトリを抱えてミワに近づいてミワに頼む。
「兄様。それは構わないけど・・・兄様?怒ってる?」
ミワに俺は怒っているのかと聞くが俺自身もよくわからん。だがさっきのやつの、ヒウアのやり方を見て頭にきているのは確かだ。あの人を嘲笑うかのようなやり方。気にくわない。
「こいつは俺がやるからチドラ、シュラ。ミワのことを頼む」
俺は2人に頼むと2人とも「了解しました」と言ってミワの護衛につく。
「私も舐められたものだ、と言いたいところですがまだ私もこの体にはうまく馴染めていない。だからあなたで試運転させていただきますよ」
ヒウアはウォルトが持っていた杖で俺に殴りかかる。
「形状変化・ランス!」
ヒウアは杖の先端を槍に変えて俺に攻撃するが俺は真正面からそれを地面に叩き落としまず片腕の骨をワンパンで砕く。
ゴキリ
「・・・は?」
「どうした?現実が受け入れきれないか?片腕の骨を軽く砕いてやったんだが?」
俺がヒウアに言うとヒウアは痛みで喚き出す。
「う、ぐぁぁぁ!私の、私の腕がぁぁぁぁ」
「それはお前の腕じゃないクソメギス。ウォルトの腕だ。お前の体などとうにないだろう」
俺はヒウアに近づいて首を絞める。
「あ、が、ぁぁあ、」
「今すぐ体から出ていけ。そして心臓を再生しろ。でなければこのまま絞め殺す」
「っ、ぐ。なめ、るな!こわっぱが!」
ヒウアは俺を蹴り飛ばした後転移魔法で知らない男を俺たちの前に出現させる。
「こ、ここは?わしは家で酒を嗜んでいたはず・・・こ、これはこれはメイギス卿!」
男はヒウアに媚びへつらう。
「クソな貴族でもこういう使い方は出来るからな。ここにくる前に備えをしておいてよかったわ。ウォルトとアドスに転移魔法を使う道具を渡しておいてね!」
ヒウアは俺たちに言った後アドスに近づき動く片腕でアドスの体に手を捻じ込んだ。




