幻の大地の5年
「もう。主人様は。まぁありがとう。後は若に任せますわ」
マムラはそれだけ言うと俺のもとから離れていき俺はキスキルにあらためて聞く。
「キスキル。この5年間で幻の大地でのことを教えてくれ」
俺はキスキルに言うとキスキルは「了解です」の頭を下げ
「そうですね。まずゴブゴブリンが100匹ほどこの幻の大地に移住しました。地龍様が連れて来ましたね」
「それはチドラから聞いたから他には?」
「他ですとラガーオークはこの都市の発展。マムラ姉さんは先程言っていたスパイの訓練をゴブゴブリンに、クロック殿は工房をつくって幻の大地に落ちて来た木で今は武器の加工や家を建てる木材に加工してくれたりしています。シルキー殿は診療所を開いてこの幻の大地に住む亜人の健康管理、シュラ様とホワッツ様は兵士の強化ですね。これも主にゴブゴブリンが今のところ主体となっております」
「ふむ。なるほど色々作ったんだな。この都市まだ市場みたいな感じだけど」
俺はキスキルに言うとキスキルは
「あまり市場は力を入れていませんからね。私達はそんな商売をしなくていいですから。譲り合いで生きていけばいいだけです」
「食料はどうなっているんだ?」
俺がキスキルに聞くとキスキルは
「食料は安定していますよ。この5年でこの前この大地に落ちてきた木以外にも果物がなる木がありますから」
「果物ができているのか?見せてくれ」
俺はキスキルに言うとキスキルは市場の方に行って商品を少しもらってきて木になっていたらしい果物を俺に見せる。
「まずこれはアオリン。この果物は青い果実でそのまま食べれば酸っぱいですが中身の青い汁をとって皮だけで食べればとでも美味しいです」
アオリンか。俺が転生してくる前で言えば見た目はりんごに似ているな。しかし普通のリンゴと違って色が青色だ。
俺がアオリンを見ている間に次の果物をキスキルは俺に見せる。
「次にこれはツイチェリーです」
ツイチェリー。さくらんぼのような形の果物か。これは見た目とか一緒だな。
「これはこのまま食べるのがベストです。逆に調理をすると不味くなります」
・・・変わった食いもんだな。としか思えなかった。
「そして最後にこれは滅多にとれない希少果物!ミーカンです!」
ミーカンってみかんじゃないか。なんでのばしぼういれてんの?みかんでよくね?
「これは調理してもうまい、そのまま食べてもうまい、スパイスにしてもうまい。まさに貧困の味方です!」
キスキルは目を輝かせながらミーカンについて説明した。




