妹
「でもジュナは嫌でしょ?」
「いや気にしないわよ。ただキナのアレでミワちゃんの考えは見て欲しいけどね」
アレとは女神様の加護である考えよみの加護のことだ。俺はジュナなら理解してくれるだろうと俺は人の頭の中を読めることを伝えると言った時のジュナは怖がることはなく凄いという眼差しで俺を見てくれた。正直クソ嬉しかった。あの時はマジでこの加護をくれたことを女神様に感謝したな。
「キナのアレでミワちゃんの考えをよんで私達に対することを絶対に見てもらわないと嫌だよ。私いじめらるの嫌だしね」
いじめられる?ジュナが?ジュナは俺と友達になってから逞しいほどにいじめっ子を撃退している。魔法ではなく男が嫌がるあの技、股間を蹴るやつだ。あれを一発くらってから男は俺以外は近づこうとする奴はいなくなり村の女は男を実力でおいかえすジュナを怖がって近づこうともしなかった。あ、ちなみに近づいて来た村の女達の頭の中、もとい考えを見たら
「あれがドーマ家の次男?2か月で歩いて3ヶ月後には本の内容を理解していたらしいわよ。文字の読み書きも教えていないのに。アルバーラ様がおっしゃっていたわ」
あー。兄さんはどこまで俺を貶めるんだろうか。もはや清々しいよ。
「とりあえず。ミワちゃんはキナに任せるから。今日は何しようか?」
「そうだなー。どうする?」
俺とジュナはその日適当に話をして夕方。俺達はそれぞれ家に帰る。俺が家に着くと兄さんが家の前にいて
「おい、化け物。ただいまくらい言えないのか?」
「・・・ただいま。兄さん」
「あ?アルバーラ兄様だろ?俺は、あととりなんだぞ。もっと敬え化け物」
いつからか兄さんは俺を化け物というように父さん、母さんは俺と喋ろうともしなかった。俺は家に入ろうとするとよちよち歩きでミワが
「おにいたまー。おかえ、りー」
「ただいま。ミワ」
あー。だめだ。普通の挨拶でも顔がひきつる。慣れない。
ミワとは関わらないようにされていたが最低限の挨拶はしろということか出迎えとかの時だけは父さん達からは何も言われなかった。
「ミワちゃん。そこの人まがいの子は疲れているから早くこちらにいらっしゃい」
母さんがミワを抱っこして連れて行くと俺のことを睨む。
あーはいはい。早々に視界から立ち去りますよ。
俺は家に入ってすぐに部屋に篭った。正直こんな生活、1人でなら限界がきていだろうが俺にはジュナという理解してくれる人がいると考えるとなんとも苦ではなかった。
そしてミワのことを考えながらも3年経ち、俺が7歳、そしてジュナが12になる頃ジュナは急に俺にこう言い出した。