5年後
「ふぅ。やっとついたな。人間の村!」
俺は握り拳をつくりながら天に向かって叫ぶ。人間の村に着くのに5年もかかってしまったかなりゆっくり進んでいたとはいえこんなに月日が経つとは。俺も気づけば13歳。体もそれなりにたくましくなり大人な男になった感じだ。まぁ8歳よりはの話だが。
「主人。気をつけて。人間は恐ろしい存在ですから」
チドラは俺にいう。チドラは5年間姿は変わらず性格も変わらない。何も変わっていない。普通に強さをキープしている。
「そうです主人。主人が死んでしまえば私は魔力が枯渇して死んでしまいます。主人は殺されることはないでしょうが」
俺の右側にはチドラ、そして左側にいるオルゴロスはいう。オルゴロスもチドラとはあまり変わらず5年間何度もチドラに頭を撫でられてははらいまくっていた。
「お前はいつになっても可愛いままよなぁ」
「お前もいつまでも私を子供扱いするよな!見た目幼いからっていい加減にしなよ!5年も撫でるのやめろって言ってるのにわかんないのかよ!」
オルゴロスはチドラともめる。これを5年も見続けていると平和に感じるが今はそんな呑気なことをしている場合じゃない。
「この村に来るまでに5年かかったんだ。その分のロスを早く取り戻さないと」
「ロスなんていい方やめてくださいよ。まるで我らがここに来るまでに何もしていないようではないですか」
「実質ここに来るまで俺たちあんまり成長してないだろ。俺も魔法の技量は少しくらいは上がったかもしれないが・・・。まぁいい。とりあえずシュラの言っていた冒険者達に会うためにギルドに向かおうか」
俺が言うとオルゴロスは空間魔法で幻の大地をアザトス村の近くに繋ぎ幻の大地で行動するシュラを呼びに向かう。オルゴロスは空間の厄災と言われるだけあって空間魔法を得意としている。ちなみに空間魔法は無属性魔法らしい。
数分後にオルゴロスはシュラを連れて俺たちの前に来る。5年ぶりに会うシュラもあまり見た目は変わっていなかった。
「5年ぶりだな。シュラ」
「久しぶり主人。なぜ5年間も幻の大地に来なかったんだ?」
「いやシュラ達がいるし防衛関連は大丈夫かと思ってな。それに何かあればキスキルがチドラに連絡する段取りになっているからな」
俺はシュラに言うとシュラは軽く「そうか」と言い
「すまないが俺はアザトス村、いや人間の村に入れない」
シュラは急に俺たちに言った。




