説得
「し、しかしなぜそのようなお姿に?」
「我はこの人間、キナ様にお仕えすることになったのだ。そしてラガーオーク達に話がある。皆住み心地の良い土地に暮らしたくはないか?」
チドラが言うとラガーオークは即答で
「そりゃ住み心地の良い土地があるなら住みたいですがそこは平和に暮らせる土地なのですか?」
ラガーオークを纏めている1人が言うとチドラは
「無論平和である。このキナ様が納める土地は安全かつ完全に平和である。ラガーオーク達が内乱を起こさなければな」
ラガーオークは集まって相談しはじめるとキスキルが
「みんな!聞いてくれ!ここにいるキナ、いやキナ様がいなければ無駄な生贄が増えるばかりだった。私も下手をすればしんでいたかもしれない。だがこのキナ様の妹であるミワ様が助けて下さった。みんなには人間を信じろとは言わないがこの2人について行こうとは思わないか!私達のためにも!」
キスキルが言うとラガーオーク達は数分話し合い、俺の前に跪いて
「キナ様。我々は貴方様についていきまする。我らをどうか導いてくだされ」
「い、いやまて。俺じゃなくてこの地龍アースラについていくのではないのか?」
俺がラガーオークの集落の長らしきラガーオークに言うと長は
「地龍アースラ様はキナ様の従者と聞きました。ですから我らはアースラ様がお仕えしている貴方についていきます」
俺についてくるか。チドラもこっち向いて親指たててるし。なんでたててんのかな?折れっていみかな?
「それで地龍アースラ様。我々が住む住みやすい土地とは」
「我のことはチドラと呼ぶがよい。地龍アースラは我の存在を知らしめるためだけにつかう。まずはお主らは支度をするのだ。旅立つ支度を。そして我を祀っていたら地龍の祠に準備が出来次第移動するぞ」
チドラがラガーオーク達に説明するとラガーオークの若い?感じのやつが
「待ってくださいチドラ様!この土地から離れるのは私は反対です!住みやすい土地はたしかに魅力的ですがこの土地を離れれば生贄になってしまった同族に申し訳がたちません!」
「では貴様だけ残るか?我は貴様らを見捨てる気はないから最大限のことはしてやるぞ。ここに残るのであれば」
チドラが反論してきたラガーオークに反論してきたラガーオークは
「私は、私は残りたい、です。でもそんなことを言えば他の同族に迷惑がかかるのはわかっています。でも!」
「よい。お主は悪いことは言ってはおらぬ。たしかにこの土地を離れれば生贄になった者達の犠牲は無駄に感じるかもしれぬ。だがお主のように優しいものがおれば誰もそれを忘れることはなかろう。原因は我が食い殺してやった。だからお主はお主の好きなようにせい。我はラガーオーク全員に移住せよとは言わぬ。だから1日の猶予を与える。明朝我が迎えに来ようぞ!」
俺とミワ、チドラは一度キスキル達を置いて集落を離れた。




