サラスコの異変
一度幻の大地へ帰還した俺とチドラは俺の屋敷へと向かう。屋敷に向かう道中、エルフのコミと出会う。
「あ、主人。帰ってきていたんですか」
「ああ。後コミ。別に主人じゃなくてキナでいいんだぞ」
「いえいえ。主人は主人ですから。それより屋敷の方はご覧になられましたか?」
コミが俺に聞いてくると俺は
「いいや。今帰って来たばかりだから何とも」
「そうですか。お時間があればでいいので部屋の方を見ておいてください。家具を送っておきましたから」
「わかった。ありがとう。キスキルは?」
俺はとりあえずキスキルにも挨拶しておこうと思ってコミに聞くとコミは
「キスキル殿は最近見ていないですね。最近ゴブゴブリンがきな臭い行動をしているらしくてキスキル殿が目を光らせているんですよ。それでキスキル殿をみかけていなくて。おそらくですが屋敷にいるのではないかと。オルゴロス殿もそこにいると思います」
コミが俺とチドラに言うと俺はコミに礼を言って屋敷に向かう。
「主人。我はサラスコの身に何かあればゴブゴブリンを根絶やしにするかもしれぬ。本当ならオメーだけで済ませたいが全員がグルになっていれば容赦なく我は殺します。それがゴブゴブリンを連れてきた我の務めでもありますゆえ」
「ああ。構わないよ。幻の大地に対し殺しあいをのぞむならそいつらは殺していい。俺の作る幻の大地には不要だから。できるだけ穏便には済ませたいけどね」
俺とチドラが屋敷に向かうといつもはオルゴロスとチドラが居座っているところにサラスコとオメーだけが居座っていた。
チドラはオメーの胸ぐらを掴み
「おいてめぇ。オルゴロスはどうした?」
「こ、これは地龍様。おはやい、お帰りで。オルゴロス殿は知りませぬよ。ね?サラスコ様」
オメーはサラスコに言うとサラスコはただ首を縦に振る。
「サラスコ!痛いこととかされてないのか?」
チドラはオメーを投げ飛ばした後にサラスコに近づいて聞くとサラスコは
「ワタシハ、ダイジョウブ、デス」
「ん?何で片言なんだ?それよりオルゴロスは?」
「オルゴロス殿はシュラ殿のところに行くと聞いてから我々は知りませぬよ。ね?サラスコ様」
オメーはまたサラスコに聞くとサラスコはただ首を縦にふる。
おかしい。なぜサラスコは自分から喋らない。それに前にあった時は目の色が赤く輝いていたのに今は目の色が真っ黒で見ている先のしゅうてんがあっていない。一体サラスコに何があったんだ?




