趣味の悪い建物
「うぐ、こんな、ばかなぁぁぁぁ!」
「終わりよ」
アドンは地面に仰向けに転がってヨトリの攻撃を避け続ける。
「お、おまぇぇ!恥ずかしくないのか!こんな、こんな弱っている状態の私にぃぃぃ!」
「ふん。恥ずかしいも何もあなたをそこまで追いつめたのは私。だから何ら恥ずかしいことはないわ。むしろ自分の功を手放す方がバカじゃないかしら」
「っぐ!この!くらえ!」
アドンは苦し紛れに溶かす液体を飛ばすがヨトリは水魔法でガードし
「私には敵を痛めつけるとかそんな趣味はないの。こんなこと早く終わらせたいから早く死んでちょうだい」
アドンは死にたくないのか苦し紛れで溶かす液体を飛ばし続けるがヨトリは全て無効化し、しまいにはアドンは泣きながら
「わ、私は貴様のせいで!貴様のせいでビーナ様に捨てられたんだぞ!もう行くあてもない私はお前を殺すくらいの楽しみしかないのにぃぃぃぃ!」
「そんなの私の知るよしではないわ。この世は弱ければ淘汰される。それが通り。強い権力者達が亜人を排除したのと同じようにね」
「この、この、クソ人間んん!」
「それはこちらのセリフ。さっさと死になさい」
ヨトリはアクア・ガンズでアドンの心臓部を貫いた後、アクア・ブレードを心臓部に突き立てるとアドンはピクリとも動かなくなった。
「さて。こいつはしとめたし私も急いでキナ達に合流しようかしら」
ヨトリはアドンの死体を放置し、キナ達のもとへと急いだ。
俺とジョーはヨトリとも別れた後にひたすらまっすぐ進んで行くと、村の1番奥らへんにでかい派手な建物が建っていた。
な、なんだ。この趣味の悪い建物。人間の気持ち悪いものを固めた感じの造形美?というのがよくはわからんが
「キナ殿。ビーナの美?とやらは誰にも理解できないと思うので理解しようとするだけ無駄です」
「そ、そうだな。とりあえずこの建物壊しとくか」
俺は土魔法で巨大な石の玉を作り上げ建物に当てようとすると建物から派手な格好をした女が出てきて
「この私の。ビーナの巨大な美の家を壊そうとするなど言語道断。貴様ら虫を排除するわ」
ビーナは光の魔法で
「くらいなさい。私の為の美の光の矢」
え?そんな魔法ねえだろ。普通にブライトアローと呼べよ。
「キナ殿。防御は私が引き受けます。攻撃の方をおまかせしてもよろしいでしょうか?」
「ああ。任せろ。くらえ!ロック・ブラスト!」
土の塊をビーナに飛ばし、ビーナは光の壁で俺の魔法を全てはじいた。




