ジュナの決意
「そんな小細工きかないわよ！」
ジュナは石の礫を剣で斬り落とす。
「お前ならそうすると思っていたぞ！ジュナ・ガーム！」
チドラはジュナが石の礫を斬った後にすぐさまジュナの背後に回る
「な！そんな早く」
「感謝するぞジュナ・ガーム。お前のおかげでシソンタウンでの加減が知れた。アザトス村のやつは正直弱すぎたからそのレベルにあわせていたがどうやらかなり違うらしいからな。お前のレベルにあわせれば何とか上手くやれそうだ」
チドラはジュナに殴りかかるがジュナは剣を横にしてガードしたが剣ごとふっとばされる。
「ぐっ！」
「おい。まだ我は試運転だぞ。もう少しやる気を出せ。まだまだやれるだろ？ジュナ・ガーム」
「はぁはぁ。い、言うじゃない。そこまで言うならご希望にそえるしかないわね」
ジュナはチドラに斬りかかる。先ほどとはだんちがいのはやさで。ほう。あれがジュナの本気か。なかなかはやいな。普通にこの世界の住人でならの話だけど。並々ならぬ努力をしたんだろうなジュナは。
「私は、私はキナが死んだと言われたときかなりショックだったわ。私キナのことが好きだったから。約束もしていたしかれなら約束通り帝国に来てくれると。でもドーマ家の奴らはキナと妹のミワちゃんを不気味がって冒険者に売りやがったわ。それにはメギスも同行していたと聞いたわ。アルバーラのやつがやたらと自慢していたからね」
兄さんはどこまでいってもアホなんだな。自慢してるとかもはや呆れるんだが。そんなに俺とミワが邪魔だったのか。
「だから私は2度と大切なものを失わないように女らしさをほとんど捨ててまで修行に励み、今のギルドSランク冒険者にまでたどりついたわ。それなのにキナが生きてる？そんなの簡単に認められるはずないじゃない！」
ジュナは剣をチドラにふるいながらも言うと、チドラはジュナの隙をついてジュナが剣を持つ片手をチョップではらいおとす。
「いてっ」
「生きているものは生きているのだから素直に認めるべきだ。お前が主人を大事に思っているのはわかった。ならばもう認めてしまえ。正直もう我はお前をやるきにはなれん。お前が主人の大事な人だというならな」
チドラは俺の方を見ながら言う。チドラ、お前
「そう、ね。確かに認めざるを得ないかもしれないわね。あなたのようなかたを従えられるので私が知りうる限りキナぐらいしかいないんだろうから」
ジュナは剣を鞘に戻して俺の近くにまで寄ってくると俺の顔にビンタをかます。
パチン！
「・・・これで生きていることの報告をしなかったことちゃらにしてあげるわ」
「ああ。ありがとうジュナ。俺も会いたかったよ」
俺はジュナの体を抱きしめていた。
