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ハゲストーリー  作者: くらいいんぐ
6/9

第6話 選んだ道

ハゲ男の選んだ道。それはモデルだった。


坊主時代に鍛えたおかげで、顔は精かんな顔つきで、からだは細身。

すぐにオーディションに合格した。


ワイルドで細身の繊細さ。

ハゲ男は、オオカミ男子と呼ばれた。


そしてもう一つ。ハゲ男はカツラをかぶっていた。

オシャレなカツラ。そう、自費でオリジナルのカツラをかぶっていた。

それがまたかっこいい。


しかし、ある事件が起こった。

それはあるモデルショーの出来事だった。


気持ちが乗り、激しい動きをした時に、カツラが落ちたのだ。

会場はざわついたが、ハゲ男は気にしない。


カツラを音楽に合わせ、エレガントにすくいあげ、退場していく。


その次の日、スポーツ新聞の一面は、「オオカミ男、カツラだった」である。


一気に、ハゲ男の話題で持ちきりになった。

しかし、ハゲ男は動じなかった。


ワイドショーのインタビューに応じる。


それは淡々としたものだった。

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