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ハゲストーリー  作者: くらいいんぐ
3/9

第3話 チャレンジコンテスト

高校も卒業間近となったある日、ハゲ男はある広告を見た。


それは、育毛にチャレンジコンテストだった。髪の薄い人が、その会社の育毛剤を使い、数ヶ月でどこまでフサフサになれるか競うというものだった。優勝賞金1000万円だった。


ハゲ男は、髪もお金も興味なかったが、暇だったので応募してみた。

自分の顔と頭の写真を撮り、応募用紙を送った。


もちろんすぐに返答がきた。


育毛剤・・・最初の2か月は無料提供。しかし、3か月目からは有料になる。

ただし、コンテストに参加するには、最低半年はチャレンジしなくていけない。


1か月数万円かかるが、とりあえず2か月がんばろうと思った。


しかし、この男、ハゲを気にしないくらいのでかい男。

マメに育毛剤をつけることはしない。


朝起きて、顔を洗った後に、一日分(通常3回にわける)の育毛剤を頭から、ドシャっとかける。


顔の方にしたたり落ちるが気にしない。そのまま学校へ登校する。

拭き取らないのだ。


そんな日が2か月続いた。


そして、もう飽きてしまっていたのとお金がないのを理由に、その育毛剤(コンテストも含めて)辞退しようと決めた。


ただ、2か月前とどれだけ変わったか、写真を見て比べてみた。


頭部・・・かわらない。いやむしろ、薄くなってる?

剃りこみ・・・やはりかわらない

その他の部分・・・よくわからない


はぁ、とため息をついて、写真を鏡の横に置いて、ボーっと鏡を見つめていた。

すると、何かが変わっている。


ん?と思い、よくよく見てみる。


あ!眉毛だ!


そう、あのしたたり落ちてた育毛剤は、眉毛を育毛していたのだ。

しかも、剛毛になっただけでなく、繋がりそうな勢いだった。


それから、ハゲ男は、育毛剤の会社に契約解除を申し出た。

電話の向こうで、「どうでしたか?効果はありませんでしたか?」と聞かれたが、男は、


「ハゲは治りませんでしたが、よく効く薬だと思います。」と答えた。


次の日、男は眉毛を全部剃って学校へ登校した。

しかし、もう彼の外見を気にする同級生はいなかった。

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