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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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予期せぬ発動

お待たせいたしました!

一話投稿いたします。




 私はウキウキしながら冒険者ギルドを出る。


 こっちの世界に来て初めて兄達から離れて一人で町を出るのだ。


 ウキウキしないわけがない。





「おはようございます」



 外へと続く町の門にいる、馴染みの門番さんに挨拶をする。


「あ、おはよう……って、えぇっ? 一人?!」



 混乱気味の門番さんに「兄達とは後で合流なんです」と言って、一人胸を躍らせクリス達と共に南の草原へと向かった。









◇◇◇◇◇◇



「ふぅ、なんとか集まったかな」



 辺りを見回すと、あちらこちらに目的の薬草が点々と他の草花の間から顔を出している。


 兄達の居ないことに喜び勇んで薬草を摘みに来たはいいけど、薬草が全く見つからず広い草原をウロウロとさ迷ってるところに群生地とまでは言えないが、ある程度の量が自生している場所を見つけたのだ。



「うーん…でもやっぱり、これ以上摘むのは良くないよね」


 依頼書の薬草の個数は十個と指定されていたがギルドの受付嬢エリーナさんの話だと、今回のオーク討伐の件で冒険者ギルド所有の上級と特に中級のポーションが出払って在庫切れ状態なので、多く取れるのであれば指定の数を超えてもいいこと。


 けれど、明らかに少ない薬草の数に指定の数以上を採取することは諦める。


 風に(そよ)ぐ薬草は、どことなく皆、元気がないように見えた。



「せっかく頑張ってたのに摘んじゃってごめんね」


 なんとなく罪悪感を感じてしまう。



(本当にごめんね。でも、これから君達がどうしても必要になるの。だからどうか元気になってね……)



 目を閉じ心の中で強く願う。



『あら。やっちゃったわね』


 ジルの言葉に慌てて目を開くと辺り一面が淡く光っているではないか。


「え…あれー? 聖魔法使っちゃったかな?」


『どうやら【戦乙女の祈り】のスキルみたいだね』


「戦乙女の祈り…」


 確かに聖魔法の金色の光と違い、淡い銀色のような、でもなんだか虹色にも見えなくもない不思議な光だった。


「あっ…消えた」


 光はすぐに消えて、まるで何もなかったかのように薬草や草花が風に揺れている。







「ねぇ、みんな…さっきの()()の事は――」


『大丈夫。剛にぃちゃにも蒼にぃちゃにも言わないよ』

『まぁ、言ってもめんどくさい事になるだけよね』

『いわなーい』


「クリス、ジル、シオンありがとうっ 恩に着るわ!」



 クリス、ジル、シオンの順に抱きつき、もふもふぷるぷるを思う存分堪能したところで、そろそろ戻ろうかとクリスに乗った。



 その直後―――。



『ジル!!』

『分かってるわ』


 ジルは返事と同時に町とは反対方向へと走っていく。


「何!? どうしたの!?」


『魔物がいるんだ』

「魔物って遠いの? 私の索敵には引っ掛からないけど」

『少し遠いかな』

「強かったりする?」

『…結構強いと思う。……それに人間もいる』

「人も!? 無事なの!?」

『人間にしては強いみたいだけど苦戦してる』


「なら私達も行こう。ジルも心配だし」


『剛にぃちゃと蒼にぃちゃに怒られちゃうよ』


「怒られるのは嫌だけど人の命の方が大事よ。それに剛兄さんも蒼兄さんも分かってくれると思う」


 人の命と比べたら私が怒られるのなんて、些細なことだ。

 危機に晒されている命を放っておくなんて出来るわけがない。


 例えそれが人であろうと無かろうと…。



「行こう。クリス」

『了解』



 こうして私達はジルの後を追ったのだった。













お読み頂きありがとうございました。



次の投稿は様子を見て投稿します。


すみません。

ストック二つしか貯まりませんでした。


チャッチャ『ほーら。俺の言った通りだろ』


チッチャ『にゃっ!! しまったにゃ! 思わず一緒にグータラしちゃったにゃ~』


作者「だってもふもふなんだもん! 絶対グータラしちゃうじゃんっ」



来週も投稿出来るようにしますので感想や評価、ブクマを頂けたら嬉しいです。


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