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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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結局は怒られたらしい


 扉の前に立つと中から子供達の楽しいそうな声が聞こえる。



 このまま突っ立てても仕方がないので、思いきって扉を開け部屋に入ることにした。




「あっ おねぇちゃんだ!」

「茶トラのにゃんこもいる!!」


 バタンッ


「あっ! しめた!」

「あかないぃー」


 私の背後の扉が急に閉まった。

 犯人はチャッチャとチッチャで、余程子供達の相手が嫌なのか、扉が開かないように廊下側で押さえているようだ。


 あのピンクの肉球で押さえているか、はたまた二匹で座り込んで押さえているか、状況的には閉じ込められているけど…。



(まぁ、大丈夫だよね)



 チャッチャとチッチャと遊びたい男の子達は、未だ扉の取っ手をガチャガチャと回していて、他の子達は大人しくクリスとジルを撫でている。




「そういえば、お姉ちゃん。ご飯作ってくれるんじゃなかったの?」


「あー…えーと…」


「ねぇねぇ、もうご飯作ったの?」



(これはヤバい)


「えっと、そ、それはですね…」


 あんなに「みんなに美味しいご飯を作るから、待っててね」と言って、意気込んでいたのに、この体たらく。


 どうしようかと、まごついていると年長の女の子や勘のいい子供達は事情を察し生暖かい目で見られてしまい、なんとか取り繕おうと四苦八苦しているところに。




「どうせ兄貴達から追い出されたんだろう?」


「うっ…」


 思いっきり指摘され、おそるおそる声のした方を振り向けば、ルーク君がいた。


「図星みてぇだな」



 その後ろにはロイ君とミゲル君に【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】の面々にグロウ君に抱っこされ寝ているマシュー君、そしてギルドマスターの姿。



 私達が孤児院に着いた時にはルーク君、ロイ君、ミゲル君、マシュー君は冒険者ギルドで今回の件の事情聴取の為、既にいなかった。

 話の聞き取りの方は無事に終わったようで、事前にあまり怒らないでほしいと勝手なことを言ってしまったが、マシュー君以外はギルドマスターから確りと怒られていたと、後にヨアヒムさんがこっそりと教えてくれた。




「ルーク君、皆もお帰りなさい」

「っ…おう」


「ただいま~♪って、なんかこれ新婚みたいでいいね♪レイちゃん」

「なっ?! しし、しんっ…」


 皆にお帰りなさいと出迎えれば、ぶっきらぼうに答えるルーク君と、いきなり訳の分からないことを言い出すヨアヒムさんと噛みまくる私。


「ヨアヒム! なに変なこと言ってんだよ!?」


「うぅ……グロウおにぃちゃんがおこったぁ」

「ち、違うっ、怒ってない怒ってないからっ」


 グロウ君がヨアヒムさんに突っ込むが、抱っこされ寝ていたマシュー君がグロウ君の大声にビックリして起きて泣きそうになっている。


 それから、なんとかマシュー君をあやしたグロウ君は、ぐったりと椅子に座り机に突っ伏するが、やんちゃな男の子達に背中に乗られたり色々とされていた。





 それから暫く経つと子供達があからさまにそわそわし始める。


 理由は簡単。



 それは私達のいる部屋にまで漂う、美味しそうな匂いが原因だったからだ。











お読み頂きありがとうございました。

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