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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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巣の可能性


 チッチャの言葉に静まり返り緊張が走る。



「チッチャ、それ本当?」



『うんにゃ。奥の方でブヒブヒ聞こえるにゃ』


『それに微かに臭いも残ってる』


 クリスもチッチャに続いて教えてくれた。





「あー…ってことは〝巣〟かなぁ」


「まだ決まった訳ではないが、可能性は…高いな」


 ヨアヒムさんが至極、面倒くさそうな態度とるが、その隠し通路に向ける視線はゾクリとするほど鋭く、隣にいるマクシミリアンさんも普段と違い視線は鋭かった。




「確かに、ここなら身を隠すのも巣を作るのにも打って付けの場所ですね」


「だな。……それと、レイ」


「は、はいっ」


 ギルドマスターはグレンさんの話に相づちを打ったかと思うと、いきなり私を呼ぶので驚きで声が裏返ってしまった。



「君の従魔達に聞きたい事がある。良いだろうか?」


 ギルドマスターの問いにクリスに目を向けると、クリスが良いと言うように頷いた。



「はい。大丈夫です」


「感謝する。ではクリス殿達に幾つか聞きたい。先ずはこの隠し通路について何か分かる事があったら教えてほしい」


『さすがに中に入らないと詳しくは分からないけど、通路はかなり広範囲に広がっているのは間違いないよ。それに下にも階があるようだよ』


 クリスが通路には下層があると教えるとヨアヒムさんが「うゎ、マジか」と眉をひそめ溜め息を吐き、ギルドマスターは「これは単なる脱出用の通路じゃないかも知れんな」と呟く。



『後、ここの臭いが薄いのは、オークがここの入口をあまり使っていないからみたいだね』


「ここ以外にも出入口があるという事か…」


「あのオークの数ですから出入口も数箇所は存在すると考えた方がいいでしょう」



マクシミリアンさんとグレンさんが考え込む。




「ねぇ、ギルマス。どうする? 今はグロウもいないし、偵察なら俺が行っても構わないけど」


「しかし…」


「この中で適任なのはギルマスと俺だけど、今は俺しか出来ないでしょ?」


「…いや、一旦戻って準備を整える。それにヨアヒム、()()()()()()()()()()()()


「…別に大丈夫だよ。俺のはただの我儘だし」



 ギルドマスターとヨアヒムさんが何やら気になる話を終えようとする所に元気な声が割って入った。



『誰も行かにゃいなら僕が行くにゃ!』

「駄目だ」

『にゃんでー』

「えーと、じゃあ私も一緒に…」

「………」

「何でもないです」


 ダメ元で言ってみたけど、蒼兄さんのひと睨みで終わり、チッチャとふたりでシュンとしているとギルドマスターから声がかかる。



「君達の力も借りたいが今はギルドへ戻り次第至急、調査及び討伐隊を編成する」


「念のため、見張りとして俺達が残ろうか?」


「マクシミリアン、それは許可出来ない。ゴブリンの巣の様に最上位種がいる可能性もある。ましてや、消えたケルベロスの件に時期の狂ったゴーストマウスとマジックレアハード、極めて稀なフォーチュン・ブルーバードの出現。その上ここ数年での魔物の増加と異常行動が各地で報告されている事を考えると、相手がオークとはいえ慎重に動いた方がいい」


 そしてギルドマスターは最後に「…やはり何かがおかしい…」と呟く様に付け加えた。




 こうして私達は一度町に戻るためグロウ君達が待つ遺跡へと引き返した。

 











お読み頂きありがとうございました。

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