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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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当然、マジックレアバードも…


 エリーナさんに報告を済ませて、今は解体所に来ている。



「お前ら…早速か…」


 半ば呆れ顔のグラードさんに()()のモノを渡す。


 先ずは、様子見で私達三人で20匹ずつ、計60匹のゴーストマウスを買い取ってもらった。



 グラードさんへ引き渡している最中に、言わずもがな、いの一番に報告が上がるであろう、その人物が姿を見せた。


「やはり君達が最初の様だな」


 それからギルドマスターはゴーストマウスの山を横目に見ながら、幾つかの事を聞いてきてきた。


「討伐は北西の森と聞いたが…」

「ゴブリンを討伐した場所の近くだ」


「他に変化は?」

「無いな。マジックレアバードの様な魔物も見なかった」



 蒼兄さんがギルドマスターの質問に答えているのを、解体所の隅でクリス達と眺めていた。


 私は余計な事を言うなよと隅へ追いやられてしまい、私自身もそう思うので大人しくしていたが、案の定な質問が来たので聞いていないふりをする。


「…それで、どうやって見つけた?」

「偶然だ。俺達はただ走り回っていただけだ」


「……本当に?」


 こちらに視線を向けるギルドマスターに心の中で (こっちを見ないでください!)と叫びながら目を逸らした。


「本当も何も事実だからな」


 その答えに懐疑的な眼差しを向け「そうか…」と呟くと踵を返し「何か変わった事があれば報告を頼む」と残しギルドマスターは解体所を後にしていった。



(うーん。本当に走り回っていただけなんだけどな。納得いかない)


 対象が魔物とはいえネズミなだけに、クリス達には何かしら感じるのかな?

 だけどゴーストマウス討伐を楽しみにしているチッチャ達のために、ギルドマスターに当たり障りのないよう報告して、出来る限り手助けしていこうと思うことにした。








◇◇◇◇◇◇



 それから数日後、流石に毎日ゴーストマウスに出会える事はなく、今日も収穫無しとギルドに入った所でギルド内が騒がしい事に気がつく。



「あれってマクシミリアンさん達かな?」


 騒ぎの中心にいたのはどうやら【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】の皆さんのようで。


 私は遠くから背伸びをしたりして覗き込もうとするも、周りの身長が違い過ぎるので結局はマクシミリアンさん達の頭ぐらいしか見えない。



「あっ! レイ!!」


 グロウ君が私を見つけ人垣をかき分けてくる。

 あんなに人が多いのに、なんで私達がいるのが分かったのかな?



「どうして私達がいるのが分かったの?」

「えっと…それは」

「従魔だよ、レイちゃん。ギルマスより大きいから直ぐに分かるよ」


 声の方向を見ればいつの間にかヨアヒムさんがいた。

 先程までマクシミリアンさん達と人に囲まれてたのに、今は私達の横でヨアヒムさんは、ただニコニコと微笑むだけ。


 本当に色々と不思議な人だ。



「そっか…それで、これは何の騒ぎなの?」


「実はね、マジックレアバードを見つけて何匹か狩れたんだよ」


「ぼ、僕は二匹狩れたよ!」

「俺は四匹だけどねぇ」

「うぐっ…」


 グロウ君は二匹、ヨアヒムさんは四匹狩れたらしい。

 ヨアヒムさんより数が少ないせいか、グロウ君が悔しそうな声を上げていた。



「そうだ! レイ達はマジックレアバードって初めてだよね? どんなのか見せてあげるよ」


 先程とはがらりと変わり、嬉しそうに見せてあげるとグロウ君に言われて、それならばとお言葉に甘え見せてもらうことになった。



 因みにマクシミリアンさんは六匹、ウォルターさんは七匹だとか。

 でも確かウォルターさんって魔術師だよね? マジックレアバードは魔法が効かないって話だけど…何で?


 頭の中がハテナでいっぱいになりながら私達が人の輪に近付くと、まるでモーゼの十戒の海割れのように皆が避けていく。


 やはりまだクリス達に抵抗があるのか、それとも私が避けられてる? ちょっと複雑。



「レイ、こっちだよ!」


「…こ、これが…」


「うん! これがマジックレアバードだよ」


「…………」





 マジックレアバードは思っていたよりずっと大きかったです。












お読み頂きありがとうございました。

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