表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
5/158

これからの事

よろしくお願いいたします。


「この家も作り変えられたみたいだな」


 蒼兄さんも鑑定で見ていた。


 よく調べると部屋が広くなったのは亜空間スキルの効果で、発動条件までは分からなかった。

 きっと両親のスキルのように、ここぞという所でいい仕事をしてくれそう。


 レベルもあるみたいだし、私は家に戦乙女の加護をつけることにした。

 その代わりといったら何だが気になっていた、もう一つのスキル絶対防御を作り家族みんなにつけたいと思った。

 どうやら絶対防御は作り出せるみたいなので、家に声をかける。


「絶対防御のスキル作っても良いかな? 代わりに私のスキルあげるから」


 って答えてくれる訳ないけど一言言っておきたかった。



 ―――――いいよ―――――



「えっ…」


 周りを見渡すも少し離れた所に剛兄さんがいるだけで、側に誰もいない。

 キョロキョロしてると剛兄さんが心配してくれたが、私は大丈夫と答えた。


 まさか…家が答えてくれたのかな。

 この世界は不思議な事だらけだから、いずれこの家ともおしゃべり出来るかも。


「ありがと…」


 壁に手を置き誰にも聞こえないように小さく呟いた。





「で、これからの事なんだけど俺と剛兄で、近くの町に行ってこようと思う」


「ちょっと待って! 私も行く!」

「お前は駄目だ」

「お母さんも行きたいわ」

「母さんはもっと駄目だ」


 頭ごなしに言われカチンときて、私は蒼兄さんに食らいつく。


「お母さんの事は賛成だけど、私のは納得いかない!」

「危険だからだ。外には魔物がいるんだぞ」

「やだ。絶対行く」


 一度言い出したら聞かない、下手をしたら一人でも行きかねない、そんな私を分かっているから蒼兄さんは大きなため息をつき、剛兄さんを見やる。


「「………………」」


 私は剛兄さんを見る。


 剛兄さんは怒るとめちゃくちゃ怖い、蒼兄さんよりも怖い。

 怖いけど、目で訴える。


 剛兄さんは私から目線を外し、蒼兄さんを見る。

 蒼兄さんが目元に手をつき、もう一度大きなため息をついた。


「…はぁ、わかったよ」

「やったぁ!」

「ただし! 俺達の言うことは必ず聞け! もう一つ、何があっても俺達の側から絶対に離れるな! いいな? これが守れないと連れて行かないからな!」

「守る守る、絶対守るって」


 鋭い目で睨み「…本当だな?」と凄みをきかせる剛兄さん。

 「本当ですぅ」と声が裏返りながら返事をする私にまた、ため息をつく蒼兄さんだった。


 母もまだ行きたいと言っていたが、両親の万物創造スキルは知られたら大騒ぎどころか、戦争が起きるぞと蒼兄さんに脅かされてた。

 けど、あながち冗談でもなく地球の食べ物が無限に出てくる、魔道具や魔石も無限、他にも色々便利な物、これでは確実に戦争の火種になってしまう。


 この国は他国に比べると大国なので守りも申し分なく、とても安全で住みやすく国王もしっかりした人物だというが、この規格外スキルの前ではどうでるか分からない。

 例え本当にこの国が利用することなく守ってくれても、他国と戦争になれば私達家族のせいでこの国と国民を戦争に巻き込む事になる。


 それを聞くと母もちゃんと分かってくれた。

 町に出て色々調べて、安全だと分かれば両親も町に行こうとなった。


『僕達は麗ねぇちゃとずっと一緒だからね』


 クリス達は私の従魔だから絶対に一緒行くという。

 可愛すぎてクリス達皆をワシャワシャもふもふする、幸せ。


『私も一度町に出たいのです』


 エクレアは町にいるケットシーに会いたいらしく今回はついていくという。

 実はエクレアとおたまは私の従魔ではない。

 エクレアには何か理由が、おたまに至っては『儂を従魔にするには、まだまだじゃな』らしい。


『ごめんなさい、私はまだ従魔になることができないのです』

「うん、いいよ、私にとってはエクレアもクリスもジルもチャッチャもチッチャもおたまも、従魔じゃなくて大切な家族だからね」


 従魔って字ずらがどうも好きじゃない。

 だから家族、それでいいよね。



「そうだ、おたまも町に行く?」

『面倒じゃから行かん』


 って言うのは建前で家に残る両親を守るのに残ってくれるんだって。

 エクレア曰くドラゴンどころか魔王が来ても心配はいらないとのこと。

 魔王より強いってどんだけ、ってか魔王いるんだ。



 町に行くのは明日という事になり、今は色々準備をしている最中だ。

 兄達は既に創造スキルで色々作っていたので、私もスキルを作ろうと頑張っていた。


「…全然ダメ…全く思いつかないよ」


 めぼしいスキルの大体を作ってみたものの、途中から行き詰まってしまった。

 身体強化、弓術、槍術、剣術、気配感知、魔力感知、危機感知、索敵、騎乗術、隠蔽、無詠唱、魔力操作、魔力無限。


 うーん…他に何かあるかな? 以外と急に何でも好きに作ってもいいよって言われたら、何も浮かばなかったり、逆に考えすぎても出てこない。


 兄達は最初、危ないからと私が武器を持つことに反対したが剛兄さんの作った槍と弓と対の短剣に一目惚れし、今回も食い下がりましたよ。

 そして晴れて武器を持つことを許された。

 剣術は短剣用、槍は初めて扱うから未知だけど、弓に関しては私が唯一、剛兄さんに勝てた事のある競技なのだ。

 他は剣道も合気道も空手も柔道もプロレスもスポーツその他諸々、勝てた試しがない。


 因みに剣術には短剣術、長剣術、刀術、突剣術、双手剣術を統合してある、弓術は短弓術、長弓術、魔導弓術を統合、槍術は短槍術、長槍術、投槍術を統合。


 身体強化は基本だし、感知系と隠蔽は兄達に作れと言われて、無詠唱は蒼兄さんが魔法創造で作ってたから私も真似して作ってみた。

 魔力無限は消費量軽減とかより無し…無しより無限…魔力無限って作れるかな? 作れたらラッキーぐらいに考えたら出来ちゃったんだよね。

 これには蒼兄さんも驚いていた。

 勿論家族みんなに魔力無限を渡した。


 そして騎乗術はこれからの旅の移動にクリス達に乗り移動する事になったので作ったスキルで、私達やクリス達側も持つことによりどんなに速く走ろうが、飛んで暴れようが落ちる事がなくなった。


「後は必要になった時に作れば良いかな」


 両親と兄達は野営用のテントを色々改造していた。

 母が地球産の大型テント作り、蒼兄さんが空間魔法で中を広げていた。

 地球のテントだと絶対目立つので、父がユグガルドのテント用の布で外側を魔改造スキルを使い覆って擬装している。

 テントの中は部屋になっており、かなり広く奥の扉二つはお風呂とトイレ、キッチンに大きめのベッドが三つある。


「なんかインテリアとか南国のリゾートみたいだね」

「ねっ凄くいいでしょ?」


「別に使えれば何でもいいって言ったけど、これは…」


 蒼兄さんはまたもため息、でも旅のトイレ問題が解決し一安心した。

 母が作ったお風呂もトイレも最新式で、いずれ家のお風呂とトイレも新しくしたいらしい。


 テントも一段落し、母に私の欲しい物、気になっていたシャンプー、コンディショナー、ヘアパック、ヘアオイル、匂いもフルーツでツヤツヤのサラサラになるらしい、値段が高すぎて手が出せなかったがこの時とばかりに母にお願いした。

 お化粧には全く興味が無い代わりに腰下まで伸ばした黒髪を何より大切にしている。


 夢の中に時々現れる、長い黒髪でとても綺麗な女の人。

 彼女に憧れ小学生の時から髪を伸ばし始めた。



(そういえば地震が起こる前に見ていた夢…あの人の夢だった様な気がする…)




 覚えてないのにそんな気がした。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ