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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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再会


 ルナティオースへ戻ってから二日が過ぎた。




 あれから、ギルドマスターの部屋から出て、ギルドの受付で依頼の達成を報告し、解体所でアビスブラックボアとフォレストグリーンサーペント三匹づつ、ジャイアントホーンラビット五匹をグラードさんへと渡して解体をお願いした。


 その間、確認のためと、ずっと側にグレンさんがいた。


 緊張でグレンさんの方に目を向けることができなかったが、兄達がグラードさんとやり取りしている時に、ちらりと見やると何故か気づかれて、にこりと笑顔で返される。


 圧のある笑顔ではグレンさんが一番恐いかも知れない。


 でも、急いで目線を逸らしたけど圧の無い笑顔でもドキドキたっだ。



 後、宿はまたギルドの訓練所になった。


 兄達は今度こそ町の外で野営のつもりだったが、訓練所でのお泊まりはギルドマスターからのお達しだそうだ。

 

 確かに町中の緑の多い場所や町の外でも、私達がいたら目立つだろうし私達を知らない人達からしたら、とても恐いだろう。


 蒼兄さんは嫌がっていたが最後は渋々受け入れていた。





 それからの二日間は特に何もなく、屋台で食べ歩きをしたり、市場で買い物をしたり、依頼も薬草採取 (だけしかさせてくれなかった) をこなして過ごしていた。


 そして、今日も不本意な薬草採取帰りで、屋台でのお昼ご飯が丁度終わった頃、元気な声で呼び止められた。


「あっー、魔獣使いのねーちゃんだ!」

「ほんとだ!」

「こんにちはー」

「にゃんこのおねぇちゃん!!」


 孤児院の子供達が私達を見つけると駆け寄ってきてくれたのだ。


「こんにちは。みんな元気だった?」


「「「うん!!」」」



 この子達は確か、最初にクリスを撫でた少年三人と、この三人よりちょっと年下で最後までクリスに抱きついていた子だ。


 四人ともクリス達を撫でたそうにしていたので、丁度広場近くにいることもあり、いつもの広場の端に移動した。


「にゃんこ~にゃんこ~」


 一番小さな男の子がクリスとジルを交互に撫でている。


 後の三人は最初チャッチャとチッチャを撫でようとしていたが、あまりにも逃げ回るので諦めて今はクリスとジルを撫でいた。



 暫くして、一番大きな少年が満足したのか、こちらにやって来た。


「ギルドに行くんだったんだろ? 悪かったな。引き留めちまって」


 と言いながら私を見ながら少年が言う。

 きっとこの子が子供達のリーダーなのだろう。


 口は悪そうだしガキ大将なのかと思ったけど、意外としっかりしている。


「大丈夫だよ。…薬草採取だし」


「薬草採取…ぷっ」


(あ…めっちゃ笑われた。あれ、薬草採取の後にwがついてるヤツだ)


 私がジト目で見れば「悪りぃ悪りぃ」とあまり悪いと思ってなさそうに謝った少年。


「とは言っても、最近、町の近くや草原辺りでもヤバいのがちらほら出てるって聞くしな」


「ヤバいのって?」


「うん。まぁ、ゴブリン一匹程度なら俺一人でも何とかなるけど、最近、ゴブリンも滅多に出なかったのに南の草原でもオークやホーンウルフが出るようになったんだ。だから今は子供どころか冒険者以外は薬草採取も出来ないんだ」



 私達が町に戻ってからの薬草採取の場所は南の草原になっている。

 理由は大体お察しの通り。


 兄達、特に蒼兄さんに北西側の森は猛反対され、仕方無く南の草原で薬草をブチブチしていた。


 私達が草原で薬草採取中は魔物の魔の字もなかったけど、それはクリス達がいたからだろう。



「それで、南の草原辺りに出てくる魔物が、南西の森から来るんじゃないかって話になったらしくてさ。グロウ兄ちゃ…【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】のみんながオークの討伐に行ったんだ」


「グロウ君達が?」


「うん。休暇中って言ってたのに、真っ先に名乗りを上げて行ったよ。でも、もうそろそろ戻って来てもいい頃だな」



 そんな話をしていたら―――。



「レイ!!」



 後ろの方から呼ばれたので振り返ると。


「おっ! 噂をすれば…だな」




 マクシミリアンさん、ヨアヒムさん、ウォルターさんと……私を呼ぶグロウ君がブンブンと尻尾…もとい手を振っていた。











お読み頂きありがとうございました。

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