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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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新しいギルドカード

よろしくお願いいたします。


 一階に降りると酒場にはすでに【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】の皆が待っていた。

 グロウ君なんて子犬が尻尾をブンブンと振る様に手を振っている。

 ちょっと可愛い。


 そんなグロウ君達に手を振りつつ、新しいギルドカードを作るために受付カウンターに向かう。




 受付に向かうとギルドカードを登録してくれたお姉さんがカウンターの奥から出て来てくれた。

 彼女はエリーナさんといって凄く綺麗で美人なお姉さんだ。


「新しいギルドカードですね。直ぐに出来ますよ」


 そう言って前のカードと交換で新しいギルドカードを作る。

 新しいギルドカードは銀色で前の銅色とは違い、明らかにランクが上がったことを思い知らされる。

 でも前のよりキラキラしてきれいだ。


 因みにF~Dが銅色でC~Aが銀色、Sが金色なんだって。

 そして金色のS級は今は一人しかいないらしい。



「それと、これがゴブリン討伐の報酬になります」


 蒼兄さんは中を確認するとさっさとアイテムボックスにしまう。

 後でどのくらいなのか見せてもらおう。



 受付での用事が済んだのでマクシミリアンさんの所へ向かうとグロウ君が待ちきれないとばかりに走り寄ってくる。

 本当に子犬みたいでピョコンとした犬耳とブンブンと振り回している尻尾が見えるようだ。


「レイ、今日はどこに行くの?」


「色々だ」

「もうっ! 蒼兄さんったら…えっと、今日は武器とか防具なんか見て回りたいなって」


「それなら良い店を知っているから案内しよう」


「じゃあ、まずは屋台に行こうよ」


 お店のことはマクシミリアンさんにお任せして、先に屋台で朝ご飯となった。




 屋台の人達もだいぶ慣れてきたのか私達を見ても驚かなくなっていて、それどころか大量に購入していくので有難がられる始末だ。



「あー…今日もレイの側に近付けない…」

「ゴウにソウ、従魔達にがっちりガードされてるからね。てかスライムにまで威嚇されてたね。…くくっ」

「笑うな! ヨアヒム!」


「あはは、俺は大丈夫なのになぁ」

「うぅ…何で僕はダメで一番危険なヨアヒムが大丈夫なの!?」


 目的のお店の道すがら、グロウ君とヨアヒムさんがわいわいとじゃれ合っている。

 【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】の中でも歳が近く、仲良くふざけ合う姿は兄弟の様だ。


「全くお前らは……さぁ、ここが先程話した武器屋だ。まぁ店主の親父は頑固だが腕は確かだ」


 今回もまたウォルターさんがクリス達を見ていてくれると言うのでお願いし、マクシミリアンさん達に続いてお店に入る。


「おぉ、マクシミリアンじゃねーか、ヨアヒムにグロウ、それと…噂の三兄妹か…」


 その言葉と共に店主さんの警戒心が上がったのか、緊張感が走る。

 この雰囲気にも緊張するが私は別の意味でも緊張している。



 店主がドワーフなのだ。



 あまりジロジロ見るのは失礼だし、この場の雰囲気にどうしていいか分からず剛兄さんの後ろに隠れる。


「親っさん、どうかそのくらいにしといてください」


「女の子だっているんだから勘弁してあげてよ」


「ふん! おめぇらに免じてこのくらいにしといてやらぁ」


 マクシミリアンさんとヨアヒムさんのおかげでこの場は何とか収まる。



「……まぁ、悪かったな」


 謝るドワーフの店主さんを前に「ちょっと怖いけど悪い人ではないからね」といつの間にかヨアヒムさんが後ろから耳元で囁くので、思わず声が出そうになり口を押さえる。

 そんな私を見て「あー残念……かわいい声聞けなかったな」とヨアヒムさんが小声で呟いていたが後半はよく聞き取れなかった。


「!? ヨアヒム! お前何してんだよ!」


 グロウ君が叫びながらヨアヒムさんを引っ張っていった。


「おめぇらは相変わらず騒がしいな」


 と言いながらも店主さんの顔は嬉しそうだった。




「レイの武器は弓らしいが他の武器にも興味があるのか?」


 私が物珍しそうに武器を見ているとマクシミリアンさんが声をかけてきた。


「剣は剛兄さんから教えて貰っていました」


 剣と言っても剣道や居合で、他にも色々な体術、武器術も剛兄さんから教わっていたので、ここにある武器はほとんど扱えると思う。

 でも教わっていた時は本物の武器を使うことは無かったので大体の武器は持ったことはないけど。


「ゴウは強いのか?」

「はい! とっても強いです。どの武器でも扱えますし、でもだからって中途半端ではなく、どれも完璧にマスターしていて…」


「………」


「蒼兄さんも凄く頭が良くて、とても知識が豊富で色んな魔法もあっという間に使いこなして…兄達は格好いいし本当に凄いんです!」


「………」


「自慢の兄達なんですよ」


「成る程、それは…自慢の兄達だな…ふっ」



 マクシミリアンさんの言葉の最後に笑いがあった様な気がしたけど…何なんだろう?


 自分でも分かるくらい笑顔で語ったからちょっと引いちゃったかな?






 私の後ろでマクシミリアンさんとの会話が聞こえたであろう、そっぽを向く兄達の耳が赤いということを私は知る由もなかった。









お読み頂きありがとうございました。


評価、ブクマありがとうございます!

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