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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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ゴブリン退治

よろしくお願いいたします。



 クリス達に乗りシロンに案内してもらいながら森の奥へ進む。

 やはりクリス達ケットシーのおかげか、ここでも魔物が出ずに薬草の群生地に到着した。



「魔物、出なかったね」

「出ないに越したことはないだろ」


 「さっさと採取して帰るぞ」と蒼兄さんに急かされながら、薬草を採取する。

 また生えて来るように根を取らない、全部取らずに必要な分だけ、地球でも異世界でも同じだよね。



「さて、薬草も取れたし、そろそろ……あれ、何かいる?」


 気配感知にいくつか反応があり、兄達やクリス達を見ればもうすでに分かっていたのか身構えている。



『魔物ね。あたし達がいるのに向かって来るなんて馬鹿なのかしら』

「ジル、そんなこと言っちゃダメよ」


『とっととやっちゃおうぜ』

『まだかにゃ? まだかにゃ?』


 チャッチャとチッチャもやる気満々で狙いを定めて、クリスは大人しく私の隣で反応がある方向を見つめている。




――ガサガサッ



『!?…この臭いは…すぐにレイを下がらせて!!』


―ギギギッ


『ゴブリンです!!』


 シロンの声と同時に緑色の人の形をしたものが奇声をあげなから次々と飛び出してきた。



『レイの…女性の匂いを嗅ぎ付けて来たようです…興奮しているので気をつけて!』


 それを聞くと同時に蒼兄さんは大半のゴブリンを風魔法で切り刻んでいた。

 チャッチャとチッチャは少なくなったゴブリンの数に文句を言いながら、剛兄さんは奥にいた大きなゴブリンを倒している。


 ジルはゴブリンが気持ち悪かったらしくゴブリンを見るなりすぐに私の所に戻って来ていた。



 気配感知で反応がないのを確認して一安心する。


『…これは…』

「シロン、どうしたの?」

「麗、こっちに来るな」


「何で? 全部倒したんでしょ?」

「見ない方がいいぞ」

「大丈夫だよ。スプラッター映画よく見てたし……うぇ酷い」

「だから言っただろ」


「見た目より血の臭いの方がキツい」

「そっちかよ」



『あの…』


「あっ! ごめんねシロン、さっきの何だったの?」


『色々と問題が出てきました。まずこの大きなゴブリンはゴブリンジェネラルです』

「そのゴブリンがジェネラルだと問題があるの?」


『大ありなのです。ゴブリンジェネラルがいたとなると、必ず〝巣〟があるのです。ジェネラルは大小関わらず巣にいるのですが、大きな巣となるとゴブリンロード、最悪の場合ゴブリンキングがいるのです』


『先程言った通りゴブリンは人間の女性を襲います。数匹程度なら問題はないけど、巣の単位となると村を襲い始めます』


「村を…」


『本当なら巣を作る前に人間に見つけさせるのですが…』

『でもまずは、このゴブリン達を片付けるのです』


 剛兄さんがゴブリンジェネラルをアイテムボックスに入れ、

蒼兄さんやクリス達がゴブリンの右耳を切り取り私がそれを袋に入れていた。

 クリス達は器用に爪を使い耳を切り取っている。


「うぇー」

「文句言わない。早く袋に入れろ」


『冒険者ギルドではゴブリン討伐の証に右耳を持って行くようです。これをギルドに持って行って知らせてください。ギルドの人間がジェネラルを見れば巣があるのも分かるはずだよ』


 そう言うとシロンは森のもっと奥に行こうとする。


「シロン、何処に行くの?」


『偵察とゴブリンが多ければ間引きます。こうなる前に潰しておかなくてはならなかったのに…これは僕の失態でもありますから』



「待って私も手伝う「麗っ!!」


「話を聞いてなかったのか! お前が行けば格好の餌食だぞ!!」


「…麗…」


「でも! こうしてる間にも村や町が襲われるかも知れないんだよ! 今、私達がゴブリンを全部倒せば被害は出ないよ!!」


「それなら俺達が行く。お前が狙われるのが分かっていて行かせられると思うか? お前は先に町に帰るんだ」


「絶対防御のスキルも聖魔法の結界だってあるんだよ! 私だって戦えるから!」


「麗!」


 兄達は心配性が過ぎるのだ。絶対防御スキルも聖魔法の結界も試していて効果も絶大なのを知っているはずなのに。



「私も行くから。それに…私、兄さん達から離れちゃ駄目なんだよね?」


「!!…っ」


 兄達との約束に兄達から離れちゃいけないってのがあったんだよね。

 これなら文句は言えないはず…


「はぁ…俺達の言うことを聞かないと駄目ってのもあるんだけどな…」


「うっ」



「…分かった。一緒に来い…」

「剛兄!」


「…その代わり蒼から絶対離れるな…」


「はいっ」


「…蒼もいいな?…」


「っ…はぁー、…分かったよ」







 気配感知を使いながら森の奥へと進んで行くと物凄い数の反応を示す場所があった。

 

「麗、臭気遮断は使ったか?」


「使ってるけど、私、臭くないからね!!」


「はいはい、くくっ…」


「…むぅぅ」


 ゴブリン対策として私の匂いを消すのが一番となり、スキルを作る際【臭気遮断】のスキルがあるのが分かり作ったのだけど。

 臭気ってどう考えても臭いものだよね? このスキル名を聞いた蒼兄さんは大笑いしていた。


「まるで私が臭いみたいじゃない…納得いかない…」

『麗ねぇちゃはいい匂いだよ』

「クリスぅー」


 走るクリスの上で抱きつきクリスのもふもふを堪能し落ち着きを取り戻す。



「ほら、着いたぞ。遊んでる暇は無いからな」

「自分だって大笑いしてたくせに」

「何か言ったか?」

「言ってなーい」



 シロンの案内のもと念のため風下に回り込み巣を確認する。


『こんな所に巣を作るなんて…もっと見回りの範囲を広げるべきだった』

『ルナティオースにはシロンを含め三匹しかケットシーがいないのですから、ここまで手が回らなくても仕方ないのです』

『深淵の森ばかり気をつけてたけど、まさかこっちの森にゴブリンがこんな大きな巣を作るなんてね』


 ゴブリンの巣はかなり大きく二百匹近くはいると思われ、ロードとキングの姿も確認できた。



「…これで全ての様だ…」


 他に巣のゴブリンが離れていないか確認していた剛兄さんが戻ってきて、いよいよ殲滅作戦を決行する。


「それじゃ、やろうか」


 作戦と言っても先程の様に蒼兄さんが魔法で数を減らし後は残ったのをチャッチャやチッチャ、剛兄さんで狩るだけなんだけど。


 私はというと蒼兄さんの後ろから弓矢と風魔法を放つだけ。

 クリスとジルは横で守ってくれていてジルはゴブリンに触りたくないらしく水魔法を使っている。

 たまに目ざとく私を見つけるゴブリンがいるが蒼兄さんに一瞬で切り刻まれていた。



(あっ、キング発見。あの距離だとギリギリ矢が届きそう。身体強化って重ねがけ出来るのかな? もう一回使っておこう)


 キングは剛兄さんよりも大きく目立つので狙いはつけやすい。


 私は弓を引きゴブリンキングの頭に狙いを定め、矢を放った。



ズズゥンッ――


 矢はキングの眉間に見事命中、というか眉間を貫いていった。


『あー! いちばんデッカイの麗ねぇちゃに取られちゃったにゃー』

「チッチャごめんね、はは…」



 まさか一撃とは…。





 この後は言うまでもなくチッチャとチャッチャが大暴れをし、剛兄さんも逃げようとするゴブリンを漏らさず狩り、ゴブリン達は一時間もかからずに全滅していた。






お読み頂きありがとうございました。

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