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漆黒のヴァルキュリア  作者: 月之黒猫
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冒険者ギルドの訓練場でお泊まり

よろしくお願いいたします。




 ギルドマスター自ら訓練場まで案内をし、その上マクシミリアンさん達までついてきてくれた。


「自分達の言い出した事だから最後まで見届ける義務があるんだよ」とマクシミリアンさんが言う。



 訓練場の隅を借りれることになり、蒼兄さんがアイテムボックスからテント出し準備をしている。


「兄妹揃ってアイテムボックス持ちか…」


 兄妹どころか両親やクリス達も持っているんだけどね…

 ギルドマスターの呟きを華麗にスルー。



「それじゃあ俺達はそろそろ行くか」


「あの…マクシミリアンさん、ヨアヒムさん、グロウ君、ウォルターさん、ギルドマスター」


「本当に色々とご迷惑おかけしてごめんなさい。後は、その…ありがとうございました」




「「「「「っ………」」」」」



「どうかしましたか?」


「っ…いやっ、何でもない」


 私はにこりと笑いお礼を言うが【深紅の薔薇(クリムゾンローゼス)】の皆さんとギルドマスターの様子がおかしかった。

 …でもマクシミリアンさんも何でもないって言ってたから、大丈夫かな?。



「レイ、訓練場は朝から使う冒険者がいるから彼らが来る前にギルドの者をそちらに寄越しておくから覚えておいてくれ」


「はい、兄達にも伝えておきます」


 そう言ってギルドマスターとマクシミリアンさん達は帰っていった。





「彼奴らは帰ったようだな」

「うん、最初はどうなるかと思ったけど、みんな良い人達でよかったね」


「「…………」」

「えっ何?」


「はぁ…お前はもっと色々と気をつけた方がいいな」


 蒼兄さんは目元に手を当てため息をつくと私の頭をくしゃくしゃにしてきた。


「ちょっと! 蒼兄さん、やめてよ!」

「先に風呂入っとけ」

「もう!…分かった。クリス達のご飯してから入るから」


 兄達に明日の朝ギルドの人が来ることを伝えテントに入る。

 クリス達が待っていたので一通りもふもふしてしまう。


『麗ねぇちゃ、おにゃかすいたぁ』

「チッチャ、ごめんね。今ご飯にするね」


 さっきのお肉だけじゃ足りなかったので、お肉を中心に色々出して好きな物を食べさせてあげる。

 シオン達はさっきのお肉とサラダで満足なのか、鞄から出てきたヨモギとサクラ、そしていつの間にかアジサイとカスミも加わり遊んでいる。


『『『『ごちそうさまでした』』』』


「みんな残さず食べて偉いね」


 クリス達が食べ終わった食器を片付けようとしていたら、シオンが食器をひとつ飲み込んでしまった。


「シオン! それはダメよっペッして! ペッ!」


 するとシオンはペッと食器を吐き出した。吐き出された食器はキレイになっている。


「これはもしや…」


 鑑定してみると…

【キレイな食器。洗浄しなくても大丈夫。】

 今思った疑問に答えてくれるなんて、鑑定さん良い仕事してます。


 アジサイ達も集まり、じっと食器を見ている。


「もしかしてアジサイ達も出来る?」

『『『『できるー』』』』


 アジサイ達が食器を取り込み始めると兄達が戻ってきた。


「………」

「…これは何だ?」


「剛兄さん、蒼兄さん、これ見てシオンがキレイにしたの!」

「キレイにって…アレで?」


 目の前ではシオンやアジサイ達が食器を取り込んではペッと出している。


「これで洗い物しなくてすむよ」

「でもコレはちょっとアレじゃないか?」

「いいじゃん! 鑑定でも洗浄しなくていいって出てるし」


「まぁキレイにはなってるが…」


「んー…あっ浄化スキルとかいいかも」


 浄化があれば気持ち的にも違うよね。

 浄化スキルを作りシオン達につけ使い方を教えると、あっという間に使いこなしていた。

 うちのスライムは優秀な子達で鼻が高いよ。


 シオン達にキレイにしてもらった食器を片付けて、お風呂に入りに行く。

 お湯は既に張られており湯加減も丁度良かった。


 脱衣所で服を脱ぎお風呂の戸に手をかけたその時。


『レイちゃ、なにしてるの』


「きゃっ?!」


「「麗!!」」


 結構大きな声をあげたのか兄達が脱衣所前まで駆けつける。


「だ、大丈夫! シオンが飛び付いて来て驚いただけだから」


「あっ! こら、お前ら…」


 蒼兄さんの声と共に戸の隙間からアジサイ、カスミ、ヨモギ、サクラが次々と入り込んで来る。



「ちょっ!みんな服着てないから変なとこくっついちゃダメ」


『『『『『レイちゃツルツル』』』』』


「「…………」」


 出来ればスベスベと言って欲しい。

 因みに兄達は意思疎通スキルをつけて貰ったのでシオン達の言葉は分かります。


「麗、そいつら引き取ろうか?」

「ん、いいや。一緒にお風呂に入れてみるから」



 うーん、スライムってお風呂入れて大丈夫かな?


「ねぇ、みんな一緒にお風呂入ってみる?」


『おふろってなぁに?』

「シオン、お風呂はね、体を綺麗にする所なの。あわあわしたりお湯に入ったり…みんな、お湯に入って溶けたりしないよね?」


『『『『『平気だよ』』』』』


 平気だと言うのでお風呂に入れてみることにした。


『『『『『わーい』』』』』


「カスミ、そこのお湯は飲んだらダメだからね」

『はぁ~い』

「じゃ、お湯に浸かる前に体洗うからね」


 まずボディソープをあわあわにしてシオン達を洗ってあげる

と、みんな泡が気に入ったのかおおはしゃぎだった。

 泡を流すと残念がられたけど湯船に入れると、またまたおおはしゃぎで泳ぎまくっていた。


 その間に私は体や髪を洗い、ヘアパックを髪に付けてまとめ上げて湯船に浸かる。


 暫く湯船に浮かぶシオン達と遊び湯船を出て髪を洗い流しお風呂から上がった。

 シオン達はまだお風呂から出たくなかったらしく、いやいやしたが私がお風呂に入る時は必ず入れてあげると約束し何とかその場を収めた。


「剛兄さん、蒼兄さんお風呂空いたよ」


 髪を乾かしながら部屋に戻るとエクレアがソファーで毛繕いをしていた。


「エクレアごめん! ご飯まだだったよね」

『もう食べたから大丈夫なのです』


 兄達からご飯を貰って満足しての毛繕いだ。


「ねぇ、エクレアの用事って大丈夫なの?」

『はい、剛と蒼と相談したのですが、明日町に行こう思いますのです』


「エクレアは直ぐにでも行くと言ったんだが…今は下手に動かない方がいいだろうな」

「なんで?」

「お前、ちゃんと気配感知使えよ」


「そうだった」と言いながら気配感知を使うとギルドの建物内に一つ反応がある。


「ギルドの人が残ってるのかな?」

「…ギルドマスターだ…」

「ええっ」

「まぁ、という訳だ」


 どうやら見張られているみたいで、他の人なら未だしも相手がギルドマスターならば今は大人しくしていた方が良さそうだ。


 自分のベッドの上で魔道具になったドライヤーで髪を乾かし、お風呂から上がった兄達と明日のエクレアの用事とお買い物の作戦会議をする。

 兄達がお風呂に向かう度についていこうとするシオン達を止めるのが大変だった。



「さーて、明日も忙しくなりそうだし早く寝ないと」


 既にクリス達の陣取り合戦は終わり私のベッドにクリスとジルにシオンとヨモギとサクラ、剛兄さんのベッドにチッチャとカスミ、蒼兄さんのベッドにチャッチャにアジサイとなり、こうなることは分かっていたから大きなベッドにしたけどベッドはクリスとジルでいっぱい。



「もう、仕方無いからクリスとジルの上に寝るからね」


『うん、いいよ』

『仕方ないわね』




 明日もクリス達を連れ街に出るから大変だけど頑張らなきゃ。



 疲れのせいとクリスとジルのもふもふのせいで一瞬で眠りに落ちたのだった。







お読み頂きありがとうございました。

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