『スッポンポンにゃっ!!』
『だいぶ減ってきたね』
クリスがオークシャーマンの火魔法【ファイアーボール】を難なくかわして、猫パンチで仕留めながら言った。
辺りを見回すと、確かにオークの数がかなり減ってきている。
『そろそろ…かな』
クリスが呟いた、その時。
私達が入ってきた扉の正面、今は木の根のようなものが張っていて、よく分かりづらく見えない壁と思わしき所が開いた。
「やっとお出ましか」
「ですが…キングがいませんね」
現れたのは通常のオークより大きなジェネラルとロード。
オークジェネラルは普通のオークより大きな2m前後の筋肉質、オークロードも2m前後だけれど細めの体格だった。
因みに普通のオークは175~185㎝、オークシャーマンは165~170㎝だ。
「ジェネラルが十一匹、ロードが九匹……あり得ません。…通常、巣の中のジェネラルとロードの数は多くとも三匹、それも両方とも三匹すら確認されていない…それなのに…」
「ダンジョンの魔力の影響か…」
困惑するグレンさんと動揺はしないが眉を顰めるギルドマスター。
「あれ? ジェネラルとロードの後ろにまだいる?……っ」
最後に出てきたロードの後ろに何か見えた瞬間、兄達に目の前を塞がれた。
―――が、見えてしまった……。
『あの豚さん達スッポンポンにゃっ!!』
「チッチャ! チャッチャ! アイツらを速攻でやれ!!」
蒼兄さんの怒号が聞こえ、そこかしこから視線を感じる。
(一瞬見えたの上だけだから! 下は見てないっ、本当だよ!!)
その後はクリスも加わり裸のオークは、あっという間に倒され剛兄さんと蒼兄さんにより回収された。
クリスによるとあの裸のオークは生まれたばかりのオークだった。
「生まれたばかり…」
「通常、オークは母親の腹の中に一ヶ月、生まれてから大人になるまで三ヶ月かかる」
私の呟きを拾うのはギルドマスター。
『でもここだと産まれる前で数時間、生まれてからも数時間だね。その上、ダンジョンの魔力で強制的に成長させられ知能が追い付いていないせいで狂暴性も増してる』
「それでは…狂暴性の増したオークが大量にっ……」
クリスの話にグレンさんが声を詰まらせる。
「スタンピードか…」
ギルドマスターの言葉に一瞬、周囲の時が止まった気がした。
チッチャ『読んでくれてスッポンポンにゃ』
チャッチャ『いやいやッ 何言ってくれちゃってるの!?』
チッチャ『にゃっ! 間違えたにゃ(照)』
チャッチャ『お前なぁ』
チッチャ『よく考えたら、ぼく達もスッポンポンだったにゃっ』
チャッチャ『…俺達は毛皮があるからいいんだよッ!!』




