オーク討伐よりも…
「クリス!」
『うん。…本格的じゃないけど動き始めたみたいだ』
クリスの一言により更に緊張感が高まる。
「では、我々は当初の予定通りにいく。レイ達はダンジョンの魔力の対応を任せる」
『魔力の方は僕だけで大丈夫だから、後は予定通りで構わないよ』
私はギルドマスターとクリスのやり取りを聞いていて、元々のオーク討伐よりダンジョンの魔力の方に気持ちが大きく傾いていた。
(オーク討伐の数も四匹だけだし、こっちの方が気になるんだよね)
「承知した。では皆、準備はいいな?」
「「「「「おう!」」」」」
『うにゃ~んっ!!』
オークの亡骸が転がる部屋に意気込む男達の雄叫びと、間延びしたチッチャの可愛らしい鳴き声が響いた。
◇◇◇◇◇◇
今、私達がいるのは通路の地下二階。
通路の一階から地下二階に続く階段を降り、暫く歩くとオークが集まっていた大部屋から数匹のオーク達が本格的に移動し始めた。
それをいち早くクリスが感知し、ギルドマスターに知らせると「あっちはあたし達が行くわ」「じゃあ、そういうことでそっちは任せた」とアランさんとアダムさんが移動したオークの元へと向かった。
「移動したオークはアランとアダムに任せておけば大丈夫だ。我々は最深部の大部屋へ急ぐぞ」
私達はギルドマスターの言葉に頷き、最深部の大部屋へと向かった。
「この先がオークの集まる大部屋だ」
真っ直ぐ続いた通路の奥、薄暗くてハッキリとは見えないが、よく目を凝らすと大きな扉がうっすらと見える。
他に別の道はなく袋小路に扉がある感じだ。
私は十字路になっている場所から壁に隠れて大部屋の扉を覗き見ている。
『…今のところオークが部屋を出る様子は無いから、乗り込むなら今かな』
クリスが壁から覗く私の上から同じように覗きながら言う。
「分かりました。ギルドマスター」
「ああ。では叩きに行くぞ」
「「「「「了解」」」」」
グレンさんとギルドマスターの合図により、調査隊のリードさんとノリスさんが素早く扉の前へと移動して、二人は観音開きの扉の取っ手に手をかける。
『大丈夫。行こう』
クリスの言葉にリードさんとノリスさんが頷くと二人は勢いよく扉を開けた。
チャッチャ『読んでくれてありがとな』
チッチャ『やっとなのにゃっ! おっちゃん達! 早く扉を開けるにゃっ!!』
作者「部屋の奥にいるのは多くのオーク…ってか」(小声)
チャッチャ『さぶッ』
チッチャ『へくしょんにゃッ ぶるぶるするにゃ…』
チャッチャ『でもこの時期の暑さには丁度いいな。クーラー入らずだぜ』
リード&ノリス「おっちゃん……」




