もう一組の討伐パーティー
今日はオーク討伐当日だ。
蒼兄さんに起こされて、欠伸をしながら起きる。
昨日は本当に色々と疲れた。
あれから私は兄達に洗いざらい白状して、どんな大目玉を食らうかとビクビクしていたけど思いの外、怒られる事はなかった。
就寝前に長めの兄妹会議という名のお小言を食らったけど。
そして怒られなかったことにホッとしたのも束の間、直ぐ町に戻り冒険者ギルドにギュスタークロックの出現、討伐の報告をすることになった。
◆◆◆◆◆◆
「………」
私達の報告を聞くなり、険しい表情に溜め息、書類の積み上がった机に肘を付き、その手は目元を覆ったかと思うと暫し無言が続くギルドマスター。
「本当に三匹だけでしたか?」
グレンさんも珍しく難しい顔をしてギルドマスターより先に口を開く。
「はい。近くには私達が倒した三匹だけしかいませんでした」
「…それで助けたというフードの男達はどうした」
「仲間が来て大丈夫そうだったので、そこで別れました」
「見知った人物だったか?」
「いえ、顔は見えませんでしたが、知らない人達だったと思います」
「そうか…」
続いてのギルドマスターの質問に、あの時は兄達にバレないようにとそんなことばかり考えていて、それどころではなかったが、今は彼らの名前ぐらい聞いておけばよかったと反省する。
けれども、やはりギルドマスターとグレンさんが気になるのはギュスタークロックが本当に三匹だけしかいなかったのかということだ。
未だ二人の表情は険しい。
『ギュスタークロックは他にはいないよ』
クリスの言葉に皆が一斉に振り向く。
他にはいないと言いきって大丈夫なのかと、ハラハラしながらクリスを見ているとジルがこそっと『クリスなら大丈夫よ。闇魔法にね、そういうのが分かる魔法があるのよ』とジルが教えてくれたので一安心する。
ちらりと蒼兄さんを見やると頷いたので、そのままクリスに任せることにした。
『信じられないなら今から探しに行ってもいいけど…』
「いや、君がそこまで言うのなら信じよう」
話は纏まりギュスタークロックの事はオーク討伐後ということになり、三匹のギュスタークロックは私のアイテムボックスで暫く封印となった。
その後は、先にも述べた通り、もう怒られることもないだろうと高を括っていたら、寝る前に兄妹会議(この会議は思い出すと凹むので省略)が開かれ、テンションが下がり気味で就寝したのだった。
◆◆◆◆◆◆
普段、朝は体が重いのだけれど今朝は調子も良いので、朝ご飯もしっかりと食べて身支度を済ませテントを出た。
今日はいつもより朝が早いので、訓練場には商人兼冒険者達の姿はまだない。
「レイ、おはよう!」
「グロウ君、おはよう。皆さんもおはようございます」
「あぁ、おはよう」
「おはよう。レイちゃん」
「…おはよう」
グロウ君、マクシミリアンさん、ヨアヒムさん、ウォルターさんに挨拶をする。
ギルドの酒場には、すでに【深紅の薔薇】の皆は来ていたが、もう一組の討伐パーティーはまだ姿を見せてはいなかった。
「レイ、どうしたの? そんなにキョロキョロして」
「あ、えっと…」
「もしかして、もう一組の討伐パーティーが気になっちゃったのかな?」
グロウ君に挙動不審を指摘され、ヨアヒムさんには見事に思考を見透かされていた。
「なぁ、もう一組って誰なんだよ。僕も知らないんだけど」
「あはは。流石にもうそろそろ来るじゃないかなぁ」
グロウ君とヨアヒムさんがそんなこと口した、その時。
冒険者ギルドの入口の扉が開き入って来た人物は、物凄く長身で筋骨隆々の、整った顔立ちに青空のような瞳、後ろで括られた長い金髪を靡かせた男性だった。
チャッチャ『読んでくれてありがとな』
チッチャ『祝! 100話目なのにゃ!!』
チャッチャ『これからも頑張って作者に投稿させるからな』
作者「ひぃぃ~」




