第6話 改めて自分に戒めを
ネムリは自宅でゴロゴロしていた。
近頃は、どれだけ寝ても寝た気がしない、
逆に体力を消費している気さえする。
あり得ないことだが、
今日の出来事を思い出す。
・・・良くないことをした。
改めて誓うべきだ。
『俺は誰も助けない』
むしろ
助けて欲しいのは俺の方だ。
例えば・・・道で女の人が危ない目に合っていたらどうするか?
一般人らしく遠巻きに非難しよう。
決して先頭に立たず、遠巻きにだ。
自分ひとりだった場合は・・・
憲兵に報告する・・・
この底辺街は賄賂だって横行してる。
下手な事をすべきじゃあない。
結論として、
俺は誰も助けることができないということになる。
今日の行動は・・・完全にNG
自分を戒めておかなきゃ
・・・
なんだか眠くなってきたな・・・もう寝よう。
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ギルドの新人のモカ=リーバルは暗い夜道を走る。
何人かの男たちがその後を追う。
夜道の溝に足を捕られて転ぶ。
「ぐへへへ・・・お嬢ちゃん、逃げるこたぁねぇじゃねーか、つれねぇな」
「俺らといい事しようぜ、へへへ」
「・・・いや」
ひとりの男が彼女を守るように立つ。
・・・
「なんだ?・・・てめぇ?」
月夜で表情はわからない。
でもあれは間違いなくギルドのネムリさんだった。