第22話 下人は修羅の道を歩むか?
ある有名なおとぎ話の一説
貴族の下働きの男が仕事を首にされて
帝都の門で途方に暮れていた。
乞食の老婆の惨状を見て、
世に希望を見出せなくなった男は、盗賊にまで堕ちていくという内容だった気がする。
それは今のネムリと似た状況であるかもしれない。
今現在、
俺は門の中に居る。
底なしの闇への入口は常に口を開けて静かに俺を待っている。
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ネムリは街を歩く。
今日はギルドの食堂は早々と店じまいだった。
店主の事情やらイベント時期なんかは、たまに早くに店を閉じる。
少し遅くなったからか
ささみの露店も開いていない。
気は進まないが、
近所の酒場で食べるか・・・
あそこはガラ悪い連中のたまり場だからあんまり行きたくないんだよな
・・・
お腹がくぅと鳴り響く。
まぁ背に腹は代えられないか
「へい、らっしゃい!」
店は混んでいた。
明らかにガラの悪そうな男達ばかり
目線を合わせないようにしつつ、
端の席に座る。
一番安いのはささみ定食・・・だが
ここは少しふんぱつして普通の鶏肉炒め定食で
「鶏肉炒め定食ひとつ」
「へいまいど」
「おい、店主、鶏肉炒め追加だ!!」
直後にガラの悪そうな大男の声が響く。
「すいません、お客さん、今日は材料切らしちゃって」
「あ?」
酔っているのかキレ出す大男
何やら揉めている
見かねて
あーもういい、俺はささみ定食でいいよ
そう声を掛けようとそう思った瞬間
「おいおい、みっともねーな!」
あさってからの声に店が凍り付く。
その声の主はすっくと立ちあがった。
ネムリの目に映ったその男は、長い珍しい黒髪のイケメン男だった。




