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恋人になりたい!  作者: 蒼井真ノ介
4/7

お願い!時間を止めて!

ちひろは、裕貴くんと永遠に幸せな時間を生きていたい!と思って、時間を止めて!と心から願っていた。真っ直ぐな気持ち、好きという純粋な気持ち、愛したいという素直な気持ち。このどれもが、ちひろの心の大部分を占めている感情です。愛を見つけた2人は両想い。幸せはバラ色の世界ですよ!

 ちひろは朝4時に早起きをして、服を選ぶのに40分も迷っていた。


 「うーん…、迷うねぇ。ジョニー、どっちのタートルネックセーターの色が良いと思う?」とジョニーを抱いてベッドに並べた青と黒のタートルネックセーターを見せた。


 ジョニーは落ち着いて鼻をヒクヒク動かして匂いを嗅いでいる。


 「ぶぁん♪」と黒の方に吠えた。


 「ありがとう! 分かったよ♪ 黒にする! でもさあ、ジョニー、青もカッコよくない? これは前から隠していた秘密兵器の勝負服なんだよねぇ。大人っぽくて素敵じゃない?

 フランスっぽいお洒落な雰囲気を醸し出しているでしょう? どう思う? ジョニー。ちょっと、悪いんだけどもさ、もう1回だけね、もう1回だけお願いだから選んでよっ!」とちひろは言ってジョニーを抱っこした。


 ジョニーはヨダレを垂らしていたが、ちひろはセーターにかからない範囲に立って、人間の赤ちゃんをあやすようにジョニーを揺らしていた。


 ジョニーは「もう少しだけベッドに近づけなきゃ、分からんワン!」とでも言うかのように、ジョニーはちひろの腕の中で前足を動かしていた。


 「ぶあん、ぶあん!」とジョニーはやっぱり同じ黒のタートルネックセーターに吠えた。


 「わかったよお! ジョニー。何回もごめんねっ。ありがとう〜! やっと黒に決定いたしましたぁ!」とジョニーに顔を擦り寄せた。


 「ヤバイ!! もう6時半なの!? しまったあー!」とちひろは時計を見ながら慌て出した。


 今日は待ちに待った裕貴くんと美術館でのデート。約束の時間は午前10時だ。

 「シャワーを浴びなきゃね!ご飯を食べないといけないし、化粧もしないと」ちひろはあたふたしながらお風呂に入った。シャワーを20分で済ませて、美容室専用の強風ドライヤーで素早く髪を乾かした後、机に座って化粧をしていく。


 ちひろは鏡の中でどんどん大人っぽくなり綺麗になっていく。

 鼻歌が自然に出てくる。笑い声を挙げてしまう。時計を見た。午前7時30分。

 「まだ大丈夫でぇす!」とちひろは言って余裕を見せた。


 化粧も普段より格段に、「のり」が良くて、久しぶりにバッチリと決まった。


 『眉が上手く描けると気分爽快だわ!』とちひろは思った。眉が決まるとその日1日ハッピーな気分でいられる。ちひろは鏡に向かって笑顔を見せた後、ウインクをしておどけた。


 ゴガルルルルルゥ〜!


 ちひろのお腹が雷鳴のように鳴り響いた。

「腹減ったよ〜」とお腹を擦りながら言った。


 ちひろは冷蔵庫から緑茶とハムと野菜を挟んだパンを取り出して食べた。テレビをつける。朝は面白くないので、すぐ消した。


 裕貴くんからメールが届いた。ちひろは裕貴くんの言葉なら、どんな言葉でも嬉しかった。 『ちひろさん、おはようございます! 準備は出来ましたか? 僕は出来ましたよ! ちひろさんに早く会いたいです! 

今日は1日宜しくお願い致します。 裕貴より』


 「ゴホッ!」ちひろはむせて飲んでいた緑茶を吹き出しそうになったが、なんとか飲み込んでヨダレが出そうで出なかったが、目から涙が出たけれども、辛うじて純な乙女の鼻から鼻水は出なかったが、緑茶の苦味のせいでツーンと鼻の奥が泡立っていたような感じになった。


 メールが嬉しすぎてむせてしまったのだ。


 「ちょっと、ジョニー、今の見た? すごく焦ったわ…。緑茶でも、むせると危ないねえ。鼻の奥が小さくスパークする感じだったのよ。ジョニー! 危なかったよぉ〜! 危なかったでしゅよ〜!!」とちひろはジョニーに甘えながら言って頬っぺたにキスをした。


 ジョニーはペロペロとちひろの鼻先を舐めた。ちひろは早速、返信をした。


 『裕貴くん、おはようございます。どうもありがとうございます! とても嬉しいです! 私も早く裕貴くんに会いたいです! ちひろより』


 ちひろは返信をした。ちひろは心から幸せを感じて嬉しくて仕方がなかった。

 時間は午前8時15分になっていた。


 ちひろは目覚まし時計の針を9時50分に進めてから立ち上がって、何を思ったのか、シュミレーションを始めた。


 「裕貴くん! ここ、ここ。早いね〜っ! 私は約束の10分前に着けば大丈夫かな〜? と思っていたのに、裕貴くん、私よりも先に来ているなんて! もぉぅ、どんだけ私に会いたいんだっちゅ〜話しになるわよねぇ〜! ムフフフフ。グフフフフ」とちひろは幸せな妄想シュミレーションで独り話し終えた後、本当の時間に戻すこともせず、ただひたすら目覚まし時計の針を回し続けてニヤけた。





つづく

ありがとうございました!久々の投稿になりましたが、読んでくれて嬉しかったです!

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