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雨の日  作者: 日和
7/11

6月24日ー曇りー

今にも泣き出しそうな、曇天。


ううん、泣きそうなのは、私。


シャワーを浴びて、そのまま寝ちゃったから、髪の毛は大爆発だし、顔はパンパンだし…。

何より、昨日見た光景が頭から離れてくれなくて、気分は最悪。


本当は、分かってる。

あれだけかっこいい人だもん。

きっと、彼女の一人や二人、いるに決まってる。


頭ではそう分かっていても、心はまだ、「私の王子様なのに!」って、叫んでる。


なんて自分勝手。



「恋って、つらいものなのね…」



ぽつり、ともらした言葉が聞こえてしまったらしく、愛が大袈裟にため息をついた。



この数日で、一体何回愛に呆れられただろう。

…数えたくない。


「恋って言えば聞こえはいいけど…。あんたのは、まだ、ただの独りよがりよ」


「ひとり…よがり?」


「そ。一人で勝手に泣いたり、喜んだり。一回も相手を巻き込んでないじゃない」


「そっか…私、まだ、何もしてないんだよね」


「そうそう。彼女がなんだ!めいっぱい巻き込んで、振り回して、奪い取れ!」


愛が、燃えてる…。



「い、いや…。そこまでの、昼ドラ展開は、期待しないで…。とりあえず、私、話しかけてみる!」


全部はそこからだ!と、気合いを入れて言うと、なーんだ、残念。

なんて、口では言いながら、愛も嬉しそうに笑ってくれた。



独りよがり。



すっかり恋愛していると思い込んでいた私に、その言葉はけっこうショックだったけれど、愛の言っている事はもっともで、納得してしまった。




梅雨も、もうすぐ終わり。




私の恋の相手は、雨の国の王子様なんかじゃなくて、ちょっとカッコイイだけの、普通の、高校生の男の子。





止まっていた初恋が、やっと動き出した、ように感じた。

ここでヒナちゃん目線終了。

次から王子様改めユウくん目線スタートです。

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