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プロローグ 男の旅立ちは我武者羅に!兜蟹、いきなり頭蓋が割れる!

 時は戦国、俺、無策!

 俺の名前は 大兜武蔵太おおかぶとたけぞうた!何の因果か、生まれた時からカブトガニ人間!親は農民、俺、養子!「口減らし」、つまり間引きのあるこの時代にゃあ珍しいことだがどうもこの両親。子宝に恵まれなかったんだとよお。さあてそれでも楽しく生きようとしたが、ある時好いた女の子にゃあ。告白したけどフラれちまった!そこまで逃げるこたぁねえだろ、って。あの子の遠ざかる姿が今も脳裏に焼きついたままなのよ!


 そうして俺は死のうとしたが、何故か死ねないこの体!釜茹でされても死にゃしねえ、ちょっと生臭い出汁がとれるだけよ!だけどその後、俺は思った!生きてりゃそれで幸せなんじゃねえの?ってよお。それに考えたところでこの体の謎はわかんねえし。生きる為には食わなきゃならねえ、食べる為には働かなきゃな!だけど俺には、学がねえ!農民暮らしも。そこまで土地がないから税を払うばっかりで稼げねぇし・・・


 そういう訳で、男一匹!脳味噌スカスカ、筋肉粒々、外骨格もキチンとガチガチな!この身一つで傭兵稼業!泣くなよ母ちゃん、心配すんな。父ちゃん、いびきがうるせえぜ!ちゃんと医者にでも行っとけよ!それじゃあちょっくら奉公してくるぜ・・・



 心配すんなよ、きっと「また」死なねぇから。



 「うおおおお!!うおおおおおお!!」

 そして戦場へ向かう為。あぜ道を駆け、野を駆け、森に躍り出たおれは。

 ぶっとい木の根に足を引っかけ。

 ・・・地面に頭部が勢いよく叩きつけられ。カブトガニ丸まんまな見た目の頭部甲殻が割れた。人間の頭蓋骨で言うと・・・どの辺りだ?よくわかんねえや。

 「今回もまたダメだったぜ。」

 いきなり前途多難、だけど死なない兜蟹。

 あれれ、何だか頭が痛いぞ。それでも負けるな兜蟹。

 それゆけ、やれいけ兜蟹。

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