女王とデート+雪女
シャルはかなり、準備が遅かった。
俺はなんだか、サムライっぽい感じの着物に着替えている。
衛兵長のなんとか?って奴にもらった。
金髪の。
「あ、あの。これでいいですか?」
俺が丁度、シャルに手を差し伸べて、窓から出たとき、シャルは何かを思い出したかのような顔をしたので、一度城に戻ったのだ。
どうやら、着替えるのを忘れたらしい。
そこから、15分。
雹が俺の隣に座って、べったりくっついているが気にすることはなかった。
「・・・お待たせしました」
シャルは、着替え終わっていた。
ヒマワリの柄の浴衣。
色は白だ。
そういえば、気になってたことがあったな。
「なあ、キマハの話ってさ、続きあるのか?」
「え?どうしてそれを?」
シャルは驚いたような顔だ。
ていうか、俺の部屋にあの絵本置いたのは、お前じゃないのか・・・?
「あるわよ、レイたん。実はね、キマハは殺されたの。女王と結婚した後」
「だ、誰に殺されたんだ?」
聞いたわけでもないのに、雹は立ち上がって、開いている窓に近づく。
「相手の『将軍』に殺されちゃったのよ。正確には、暗殺かな」
『将軍』。
それは、絵本に書いていない人物だ。
『将軍』と言うことだ。
何人も居るのだろうか?
「教えてあげたんだからさ、ひょうひょうになにかお礼する気はないの?」
雹の顔が赤い。
触っただけでも熱い。
こ、コイツ。
酔ってるのか!?
まだ夜店行ってないぞ!?
というか、夜店あるのかすら分からないけれども。
夜市だろうな。
きっと。
「じゃ、行くか。」
「はい。」
俺はシャルの手を取り、窓から飛び出した。
何故か、麦藁帽子を持っていたけど。
「あ、私を置いていくつもり!?」
雹が似たようなセリフを吐きつつ、俺とシャルの後についてくる。
雹の案内で俺達は屋根の上を歩き、城下町の近くの森に下りた。
ここまで知ってるって言うのに、なんで奴隷にされたんだろう・・・。
理解できない。
「ここが、城下町なんですね・・・。」
ものめずらしそうに、シャルは明かりを見ている。
「ほら、先に行くんじゃねえよ?」
俺はシャルの手をサッと引く。
シャルははい、と言って俺に寄り添う。
ていうか、俺に金あったっけ?
・・・・ありました。
ガマ袋の中に。
みごと、この国の通貨が。
森を出ると、さっそく夜店が。
しかも、踊り子のように露出が多い服の占い師だった。
「・・・お兄さん、占ってみる?」