表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
年下男と年上女~チャットから生まれた悲恋日記  作者: 星野 満


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/8

1. プロローグ(初めてのご対面)

※タイトルからすると哀しそうですが、内容、特に前半はコメディタッチで書きました。

!(^^)!

✧─ VOL1 ─✧



 久しぶりに彼氏の(しげる)に電話をした。


 電話するなんて何ヶ月ぶりだろう?


 これまではお互い忙しくなかなか会えなくても、茂の方からメールをくれたのに。


 今回は私が茂にメールを送っても返信がなかった。


 こんな事は初めてだ。

 なんとなく私は嫌な予感がした。


 同時に無性に茂の穏やかな声が聴きたくなった。




 ✧ 茂との出会い ✧



 茂と私は付き合ってかれこれ七年にもなる。


 私たちの()()めは茂が一人で作成して立ち上げた映画やアニメサイト。

 そのサイトをお気に入りにしていた私が、ユーザー登録をしてコメントをしたのがはじまりだった。


 私も映画やアニメが好きで、作成者の茂が好きな作品を独自の切り口で、批評を読むのが楽しみだった。

 

 茂のハンドルネームは【シゲル】、私は名前が千鶴(ちづる)なので【ツルミン】とした。

 


 そのうち茂が中心となって、サイトのユーザー仲間たちとチャットでお喋りもした。半年くらいワイワイとみんなで楽しんでいたが、ある時、茂がチャットではなく、私に個人メールを送ってきた。


 私も作成者から個人メールが届くなんてワクワクしてすぐに返信した。

 すると半年くらい茂とメール交流を続けた後に、彼から『一度会いたい』と誘われた。


 その時、私はだいぶ迷ったが一度くらいならばと了承した。


 茂は『それでは【談話室・橘(だんわしつ・たちばな)】新宿西口駅前店で午前十一時に待ち合わせしましょう』とメールで指定してきた。


 私は指定した待ち合わせ場所を知って驚いた。



 ──まあ、【談話室・橘(だんわしつ・たちばな)】ですって!


 

 【談話室・橘】といえば、ちょっと気軽なお見合いの場でも利用される喫茶店で知られていた。


 メニューにお抹茶や和菓子と和風ものが多く、従業員の制服も丈の長い抹茶色のワンピースで、全体的に上品な雰囲気のある店だった。

 

 客層も若者より、どちらかといえば三十代以降、熟年者が多い店だった。


 あらまあ、若いのに随分渋い喫茶店を選ぶもんだと意外だった。

 それでも茂の映画サイトと同じように、彼の人柄が感じられて増々私は彼に好感を持った。


 『了解しました』と、ぴぴっと文字を打つ。

文末には、いつもの笑顔文字 (*^。^*) をして返信した。



✧ ✧


 

 そして当日──。


 初めて茂を見た私の第一印象は『思ったより随分カッコいい!』だった。


 高身長でシュッとした彫の深い目鼻立ち。

 とても映画やアニメ好きのオタク系の外見には見えなかった。


 私の目には二十五歳よりだいぶ落ち着いて見えた。

 つまり言い方は悪いが、実年齢より老けていたのだ。


 だが私はその時の第一印象を心の中で、()()()()()()()君と呼び、よけい好感度もアップして心がドキドキと躍った。



 私たちはその渋~い喫茶店で何時間も、抹茶と和菓子だけでアニメや映画話に夢中になって時を忘れた。  


 早速、茂と意気投合した私は翌週末には、彼の家に遊びに行き鑑賞するという異例な急展開だった。



✧ ✧



 茂と初めて観た映画、それは古い古いクラシック映画でいわゆるメロドラマだ。

 (はかな)い男女の悲恋ものだった。


 この映画を昔、祖母と一緒に観た記憶があって子供心に感動した映画だった。大人になっても、もう一度見たいと探していたが、どこのサブスクでも上映してなくDVD再販もなかったので諦めていた。

 

 アニメからクラシック映画の話題になった時、私がこの映画の話をしたら茂が反応した。



『その映画のDVDなら僕、持ってますよ』と二杯目のお抹茶を、美味しそうに飲み終えて彼はいった。


『え、絶版だったでしょう?』と驚く私に『実は──』と茂が説明してくれた。


 なんでも以前、彼が学生時代にバイトをしていたレンタル店が閉店する際、DVDの在庫処分セールをした時、茂は気になった作品を格安で購入したという。


『ええ、凄い、とっても見たいです!』私は思わず叫んでしまった。


『それならよろしければ、僕の家で鑑賞しませんか』と。


『はい、よろこんで!』


 私はその作品を見たかったので、二つ返事で承諾したのだ。



✧ ✧

 


 こうして私は茂の家に行き、探していたクラシック映画の作品を見終えて感激の余り、シクシク泣いてしまった。


 ストーリーはヒロインが捨てられるお話だった。

 とても愛し合っていたのに、お互いすれ違いで別れる悲恋もの。



『あ、ごめんなさいね……』と私は泣きながらも茂に詫びた。


 最初、茂は私が子供みたいに泣き出したので少々動揺したようだったが。



『どうかそんなに泣かないでください』と茂が甘い声で(ささや)いてきて、私の肩をそっと抱きよせた。


『! 茂君……』


 突然、茂の大きな胸の中でそっと抱きしめられて、私は安心したのか、ひっくひっくとアホみたいに泣いた。



 その後、私たちは、ごくごく自然に結ばれたのだった。




※ 一話をお読み頂きありがとうございます。宜しければ2話も引き続きお読みいただけると嬉しいです。

今日、もしくは明日にて完結の短期連載です。

m(__)m

※2026/1/27 修正済み

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
めちゃくちゃ素敵な出会いじゃないですか〜!!(*^^*) それに、趣味も同じで話も合うなんて最高ですよね♪ 談話室・橘がすごく気になります♪実際あるお店なら行ってみたいです! 見たいと思っていた絶…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ