名前を付けてもらえなかった
昔、ゴダイゴさんが演奏するビューティフル・ネームという曲がやはりました
どんな子供達も1人に1つずつ美しい名前を持っている
まさに、その子の親がその子の将来の幸せを考えて付けた、その子にとって特別な名前なのですね
昭和世代の私にとって最近は不可思議な、それも読み方が解らない漢字の名前の子供達も増えてきましたが、まぁ私がどうのこうの言うことも言う権利もないのでね(笑)
さて、同じ人間がいろいろなものに名前を付ける
そう、世の中にあるものの名前は、やはり人間が勝手につけました
そうでないと会話する時に意味が通じないで困りますしね
「ほれほれ、あそこの、あれはあれやんなぁ」
「いや、そこの、それが、あれやでぇ」
何のこっちゃ解らん!
しかし、現実のところ加齢が進んだ私は、物の名前を言う時に「あれ」やの「それ」やの言うことが増えたので笑い事ではないですけどね(笑)
そんな中、私は昔からとても悲哀を感じてしまう名前があるのです
それは「もどき」やら「だまし」と言う名前のもの達です
えっ?ビューティフル・ネームは1個体に1個あるんじゃないの?
なのにねぇ・・・
例えばショウリョウバッタモドキと言う虫がいます
ほんと可哀そうに・・・オリジナル名が無い・・・オリジナルとして呼んでもらえない
元のショウリョウバッタはビューティフル・ネームをもらっているのに・・・
「もどき」って・・・偽物やぞって・・・
生まれもって偽物扱いされるとはなんとも理不尽で可哀想な・・・
「だまし」に至っては詐欺師・・・犯罪者扱いされるなんて・・・誰に迷惑かけた?
みんなちゃんと命を持った個体なんだぞ!
人間の奴め・・・勝手なことしやがって・・・
なんてことを、ショウリョウバッタモドキは思っているのか思っていないのかは正直解りません
彼に面と向かって「ショウリョウバッタ・モ・ド・キ!」と言っても気を悪くするかどうかも解りません
多分素知らぬ顔をするでしょう・・・いやそう装っているだけかもしれない
どん底の悲しみに耐えて平気に見せているだけかも・・・
子供の頃、小学校で「相手の気持ちになって考えましょう」と言われたじゃないですか
大人になったらそんなことも忘れるのですか?
何とも人間は勝手で罪深い奴です・・・
私はこのショウリョウバッタモドキに合うと、人間として心からの謝罪をします
けして、君に名前をつけた人間も命を軽んじているわけではない・・・と私は信じているのだよ
たまたま、時間が無かっただけかもしれない・・・いやぁ、そんな言い訳は到底受け入れられないかもしれないけども・・・
ちゃんと、君に向き合えていなかったことだけは確かだ
ほんとすまない!許してほしい
ただね正直なところ・・・きっと私の目の前にショウリョウバッタかショウリョウバッタモドキが現れても違いが解らないだろうと思う
多分、ショウリョウバッタモドキを見てショウリョウバッタと言っていたことがあったかもしれないし、その逆もあったかもしれない
人間が名前を勝手に付けておきながら失礼の上塗りという、究極の無礼を働いていたかもしれない
所詮、大多数の人間と言うのはそんな愚かなものなのだ
そんな奴らに名前を付けられたなんて、たまったもんじゃないかもしれないね・・・
私の長い人生の中で、いつも心にひっかかる、とても悲哀を感じる部分をお話しさせていただきました